(336)小さい秋

 夏の様な暑さが続く、暦の上では秋が始まりつつある筈の8月下旬。


 数週間前から日本のあちこちで少し大きな地震があり、さらに台風10号が日本列島を縦断するってんで、僕の顧客からは「防災用品」の依頼が多くなってきた。


 が、全国でその様な動きがあるらしく、商品を発注しても、商品の到着までは時間がかかる様だ。


 例えば昨日発注した保存食などは、入荷時期が10月中旬ごろになるそうで、納品までに2ヶ月もかかるらしい。


 通常は2週間程度で入荷できる商品なのだが、元旦の能登地方地震の影響で、今年は納期が1ヶ月くらいかかっていた。


 さらに8月中旬頃に立て続けに宮崎県、神奈川県、茨城県で震度5以上の地震が起きたのもあって、全国的に防災意識が高まっているのかも知れないな。


 人間とは愚かなもので、「実際に苦境に立たなければ対策をしない」という人が多い。


 僕もその一人なのだが、こうして不安要素が具体化してから行動を起こすので、商品の納期に時間がかかるなどの影響から逃れられない訳だ。


 まあ、こんな事は毎年起きる事象なので、今更驚く様な事ではないんだけどね。


 むしろ、納品予定日が10月になるという事は、真夏に注文した商品が秋の納品になるという事に、時間の経過の速さを痛感するという事に対して色々思う訳で。


 10月かぁ。


 もう秋なんだな。


 涼しくなってきて、散歩が気持ちいい季節だろうな。


 仕事も捗るだろうし、色々忙しいかも知れないが、月の半ばには3連休もあるし、熱海あたりに温泉旅行にでも行きたいな。


 政治や社会に不満ばかりでストレスも溜まっているし、ストレス解消も兼ねて、リフレッシュ出来るといいな。


 まだ8月だし、まだまだ暑さは続くらしいけどな。


 そういえば、今日は駐車場で小さい秋を見つけたな。


 それは、蝉の鳴き声が変化していたという程度の事なのだが、蝉の鳴き声が「つくつくぼうし」になっていたんだよな。


 つくつくぼうしは夏の終わりを告げるセミだし、もう秋になりつつある事を感じられた気がするな。


 他にも、スーパーで秋刀魚さんまが並んでいて、すごく安かったな。


 秋刀魚といえば秋の魚だ。


 これも「小さい秋」に違いない。


 たまたま寄ったイオンの中で「ハロウィングッズ」が売られていたのも秋らしい景色かも知れない。


 小さい秋が、あちこちに現れだした。


 僕にとっては苦痛でしかない「夏」が終わる。


 待ち遠しいな。


 そんな事を思う、今日の僕なのであります。

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