ことばの悦楽

（314）歪（いびつ）

　僕は都民だ。

　いま、東京は都知事選挙の真っただ中だ。

　7月7日が投開票という事で、僕も投票に行くつもりだ。

　既に誰に投票するかは決めているのだが、少なくともやたらとテレビに出て来る4人の候補者には投票しないつもりだ。

　だって、今回の選挙はなんだか歪（いびつ）に思える訳で。

　本来の民主主義とはかけ離れた「何か」が起こっているのは間違いない。

　そもそも「歪（いびつ）」という漢字が「不正」という漢字を縦に並べた形になっているのが全ての答えなのかも知れないと思えるほどだ。

　現職知事の元で僕は相当苦しめられたので、現職には退いて頂きたいというのが本音だ。

　だからといって、立憲民主党から「無所属」とうそぶいて立候補した女性候補者の演説を見ていても、ちっとも心を動かされない訳で。

　安芸高田市の市長だった人がなぜか立候補しているみたいだが、彼のスタンスは僕はどうにも好きになれない。

　理路整然として分かりやすい様にも思えるが、元銀行のアナリストだというのだから、おそらく金融機関で培われたマインドを持っているという事に疑いは無いだろう。

　僕は銀行マンが好きではない。

　何でも「お金がある者が正義」と考えている節があるからだ。

　で、残りの元幕僚長の男だが、東京の防災には力を発揮しそうだが、経済にはあまり見識が明るくない様に見えて仕方が無い。

　東京は経済の中心地であり、政治の中心地であり、日本の首都だ。

　東京の経済の停滞は許されないし、防衛も大切ではあるが、兵器で物事を解決しようとするのではなく、政治で解決する事が出来る人に僕は一票を投じたい訳で。

　で、テレビでは報道されていないが、そういう候補者はちゃんといた。

　メディアの報道も歪な状態の今、むしろメディアに取り上げられない候補者の中に光があるのだろう。

　なので、きちんと政策を確認し、きちんと人となりを確認し、然るべき人に投票するとしよう。

　そんな事を思う、今日の僕なのであります。