(240)大雪

 今日は東京の街にも雪が降った。


 一応、「大雪」という事になるらしい。


 積雪しているのは確かだ、月曜日の20時で、せいぜい5cm位ではなかろうか。


 山間部はもっと積もっているのかも知れないが、東京23区はそれ位に見える。


 北海道や東北等の雪国の人に笑われそうだが、東京ではこれでも「大雪」扱いだ。


 高速道路の一部が通行止めになり、所々でスリップ事故が起き、道路は大渋滞になって、電車は遅延する。


 都内を走る車のタイヤはノーマルである事が多い。


 商用車などはスタッドレスを履いているのだが、乗用車は大半がノーマルタイヤだ。


 そりゃあスリップする訳だ。


 そんな車で通学路を走れば児童達に接触しかねないし、信号の手前で停止するのも困難だろう。


 そんな中、僕は朝から横浜と都内で納品作業かあったのだが、雪が降る前に何とか仕事を終わらせられた。


 夕方には雪が大粒になりだし、うっすらと路面が白くなりだした。


 僕の車はスタッドレスタイヤを履いているが、納品を終えた車は軽くなり過ぎてスリップしやすくなる。


 なので今日の本格的に雪が積もる前に帰宅した訳だ。


 そう言えば、数年前に北海道まで納品の為に車を走らせた事があったな。


 函館でフェリーを降りた時には既に大雪になっていて、慣れない雪道を札幌まで走ったのを思い出す。


 あの時も納品を終えて車のが軽くなった帰り道は、時々スリップしそうになりながら函館まで走ったっけな。


 途中で前面がホワイトアウト状態になり、運良く見つけたセイコーマートの駐車場に避難したんだよな。


 でも、セイコーマートの駐車場も雪がすごく積もっていて、僕の車は駐車場の枠に入れる手前で車輪が雪に埋もれて動けなくなったんだったな。


 結局、お店の店員が雪かきを手伝ってくれて、何とか脱出出来た訳だが、あの時は「北海道の人、みんな親切だな~」と感動したんだよね。


 北海道は寒かったけど、人の心は温かかった。


 現実に戻れば都内の大雪。


 4WDの車は危険運転でグイグイ前進し、恐る恐る走る乗用車を抜いていく。


 コンビニの駐車場ではスリップしている車のドライバーが、他の車のドライバーと口喧嘩している。


 …なるほどな。


 今日の東京は雪も空気も冷たいが、ついでに人の心も冷えてしまったのかも知れないな。


 出来ればこんな寒い日こそ、温かいエピソードに遭遇したいものだ。


 …また北海道に行きたいなぁ。


 そんな事を思う、今日の僕なのであります。

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