(198)知らない言葉
たまに、聞いた事が無い言葉を話す人に出会う。
若い頃は特にそうだった。
中学生の時に気付いた事だが、僕はグラウンドを走る時には最初から全力疾走して、後半はバテてしまってゴールまで走れないというタイプだったのだが、その時に先生から、
「竜頭蛇尾とはお前の事やな」
と言われたのだが、当時の僕には「リュウトウダビ」の意味が分からず、「はぁ…」と、気の抜けた返事しか出来なかった。
しかも、意味が分からないので改善も無ければ学びも無かった訳で。
コレって、意味が無いよね?
つまるところ、小説で知らない言葉を並べられても、読者が理解出来なきゃ読者は学びも無いし、参考にもならない訳だ。
となると、読者の年齢を想像して、知ってるであろう言葉を選んで執筆しなくちゃならないという事なのだろう。
「青田刈りだな」
というセリフを作品の中に入れようとしていたのだが、仕事の際に顧客の若い担当者に、
「なるほど、人材の青田刈りをしようという事ですか」
と僕が言うのを、首を傾げながら、
「アオタガリってどういう意味ですか?」
と訊いてくる事があり、「青田刈り」が若者には通じない言葉なのだと認識を新たにした訳だ。
つまり、僕が中学生の頃に受けた「意味の無いセリフ」を僕自身が吐いていた訳で。
なるほど、これは問題だな。
僕は自身の語彙の狭さを理解しているつもりだったが、それ以上に「分かり易い言葉」を選んでいかなければならない様だ。
代わりに今は「若者には通じる言葉」というものもある様なのだが、今度は僕がその言葉を知らなかったりする訳で。
知っている言葉のすれ違いが、世代間の溝を作っているのかも知れないが、ならば僕に出来る事って何なんだろうな。
やはり、色んな作品を読んでみて、「あ、読みやすいな」と思った作品の文章から学ぶしか無いのかも知れないな。
うむ、きっとそうだな。
という訳で、これからは色んな作品を読ませて頂こうと、そう思う今日の僕なのでありました。
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