(195)濁点

 何でもない事なのだが、「山崎さん」という人が居たとして、この人の事を「ヤマザキさん」と呼ぶか「ヤマサキさん」と呼ぶか、一般的にはどちらだろうか。


 要は「濁点だくてん」が付くか付かないかの違いなのだが、この「濁点」というやつは、何故に「にごる」という字を使うのだろうか。


 僕が「ヤマザキさん」と呼ぶと、「いや、私の名前はにごらないんですよ」などと本人に指摘を受けたのだが、よくよく考えると、読み方が「にごる」ってのも不思議な表現だ。


 例えば「水がにごっている」というと、決してピュアでクリアな水では無い、不純物が含まれた水の様なイメージが湧く。


 という事は、濁っていない「ヤマサキさん」というのは「ピュアでクリアな人」という意味なのだろうか。


 確かに僕が会った「山崎さん」はピュアでクリーンな人かも知れないが、だからといって恐らく多数派を占めるであろう「ヤマザキさん」がピュアでクリーンでないなんて事は無いだろう。


 そもそも、「濁点だくてん」というネーミングが良くない。


にごる」という表現が根本的に良くないと思う訳だ。


 では、他に何と呼ぶのが良いのだろうか。


 個人的な意見だが、僕はこの「いわゆる濁点」を、「力強さが増す記号」ではと考えている。


 例えば擬音で表現する時でも、扉を叩く音が「コンコン」よりも「ゴンゴン」の方が力強く感じる。


 例えば「ファサっと落ちる髪」よりも「ブァサっと落ちる髪」の方が毛量が多そうだ。


 例えば「お腹ペコペコだよ~」という子供よりも、「お腹ベコベコだよ~」と言ってる子供の方が危機的状態なのだと感じるし。


 つまり、「ヤマサキさん」よりも「ヤマザキさん」の方が、強そうなイメーシが湧く訳で。


 となると、「濁点だくてん」と呼ぶよりも「強化点」などと呼ぶ方が正しいのではと感じる訳だ。


 …うーん。


 自分で言ってて、イマイチピンと来ないな。


 もっとこう…、パワーを感じるネーミングがいいな。


 例えば「パワーポイント」とか?


 いや、これじゃパソコンのアプリと思われそうだな。

 

 誰か、素敵な名前を付けてもらえないものでしょうか?


 そんな事を思う、今日の僕なのであります。

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