(171)あべこべ
物語の中に、バトルシーンがある作品は多い。
で、とある作品を読んでいた時に出てきた、敵の攻撃をかわす時の「エビ反り」という表現がどうにも気になった。
エビ反りって、「エビの様に身体を反る」という事な訳で。
でも、エビって背中を丸めている姿は想像出来るものの、身体を反らしている姿を僕は見た事が無い。
以前「豆腐と納豆」について語った事があるが、今回のもそれと同じで「実態と名前が相反する」という表現な訳だ。
これは「踏んだり蹴ったり」にも通じるところがある。
実際は「踏まれたり蹴られたり」の筈が「踏んだり蹴ったり」などと加害者側の視点な訳で。
他にも、知人が何か嘘をついた時に、隣に居る者が「嘘つけ!」と叫ぶシーンを見た事があるが、これも本来は「嘘をつくな!」と叫ぶのが正しい筈だ。
なのに、まるで更に嘘を誘発するかの様なセリフが是とされるのは何故なんだろう。
分からない事だらけだが、これが日本語として間違いでは無いというのだから、本当に不思議だ。
そう言えば、大阪の名物に「どて焼き」という料理があるが、アレって絶対に「煮物」なんだよな〜
牛スジをトロトロになるまで茹でたものを、白味噌と酒で更に煮るという調理をするにも関わらず「どて焼き」というね。
「どて」ってのが何を指してして、「焼き」がどの部分を指すのか、本当に謎だ。
逆に「牛スジ煮込み」という料理の牛スジはあまりトロトロなものが少なく、むしろ「どて焼き」と名前を入れ替えた方がいいのかも知れない。
ともあれ、沢山の名前や表現があべこべになっていて、それがまかり通る日本語のルーツが気になるところだな。
まあ、執筆するのに悩む様な事でも無いのだろうが「ことば」について色々考えるのは楽しいものだ。
これからも、変なことばを見つけたら、色々考える事にしよう。
そんな事を考える余裕に恵まれた、今日の僕なのです。
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