(163)ステータス

 家庭用ゲームといえばRPGかパズルゲームという僕だが、何となく見ていた異世界ファンタジー作品で「ゲームの世界に転移する」みたいなのでやたらと出てくる「ステータス画面」というものが、もしかしたら現実化するのではないかと思い始めている。


 政府が推し進める「ムーンショット計画」というものがあるのだが、内閣府によると「肉体的にハンデがあっても生きやすい社会」を目指すという事で、デジタル化が更に進む事によって実現するのだそうだ。


 この計画が実現した社会では、個人の信用度合もデジタル情報として蓄積され、金融や取引にも活用出来る様にするつもりの様だ。


 つまり、自分の信用度がどれくらい高いのかを、自分でも見れるし、他人も見れるという事だな。


 犯罪を犯せば記録に残るし、独身かどうかや家族構成なんかも簡単に知られてしまう事になるかも知れないな。


 他人に親切にすれば「ポジティブポイント」が加算され、悪い事をすれば「ネガティブポイント」が加算される。


 自宅でぐっすり眠っている間にも個人情報は誰かに見られてしまう事になり、もしも脱税などしていれば、政府は即座に口座を差し押さえる事が出来る。


 買い物は殆どがデジタルマネーを使う事になり、「何を買ったか、どんな趣味や趣向があるのか」等も知られてしまうのだろう。


 アダルト誌やアダルトゲーム、アダルト動画などを常用している人等は、その性癖までを知られる事になり、場合によっては、やがて「犯罪予備軍」と認識されてしまう可能性もある。


 健康状態までがリアルタイムに記録され、2020年に起きたコロナ禍の様な事があれば、発熱状態や感染状態等も他者に知られる事になるのだろう。


 つまりは、個人の「ステータス画面」が衆目に晒されるという事で、いわゆる「超管理社会」がやって来るという事だ。


 こんな社会を政府は「2030年から普及を始め、2050年には全国的に浸透させる」つもりらしいので、当然今からそうした動きを始めている筈だ。


 マイナンバーカードもその1つだろうし、電子決済を普及させたのもその為かも知れない。インボイス制度もそこに組み込む為のものである可能性が高いだろう。


 つまり、これらが普及して行く事で人々は「ステータス画面」を手に入れる事になり、同時に「個人情報は公開されてしまう」という事だ。


 みんなはこんな社会を本当に望んでいるのだろうか。


 僕はまったく望んでいないのだが、自民党政権が続く限り、この流れは止められないんだろうな。


 僕の作品にその様な世界を描いたものがあるが、世の中は本当にその方向に進みそうで怖いな。


 願わくば、アナログな部分を楽しめる社会であって欲しいものですね。

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