(160)美味

 最近やたらと政治的な愚痴ばかりだったので、今日は他愛もない日常をテーマにしようと思う訳で。


 今日は朝から夕方まで、ずっとコンサル案件の為に顧客の元を訪れていたのだが、午前は赤坂、午後は品川の顧客だったので、途中でランチ休憩をした。


 自動車で移動していたので、駐車場がある飲食店がいいなと探していると、ちょうど良い所にラーメン屋の看板を見つけたので、その店に入る事にした。


 駐車場はあるのに店内は10人くらいしか入れない小さな店で、13時過ぎに入ったからか、あまり混雑もしていなかった。


 で、メニューはシンプルに「しょうゆ」「塩」の2種類しか無く、あとはトッピングを選べるくらい。


 サイドメニューで餃子とチャーハンと白飯があったが、ランチタイムは白飯が無料だと言うので、僕はしょうゆラーメンと白飯を注文する事に。


 で、そのしょうゆラーメンを食べた訳だが、そのラーメンの美味い事と言ったら…


 と、ここで自分の語彙の狭さを思い知る訳だ。


 シンプルなのにとても奥深い味で、隠し味が何なのかさえ判らない。


 この感動を例える方法が、僕には1つしか思い浮かべられなかった。


 それは「初めて『かすうどん』を食べた時の感動」に似ていた。


 が、ここで問題発生だ。


 その問題とは、そもそも『かすうどん』の旨さを説明出来る語彙が僕には無いという事だ。

 

 大阪府藤井寺市を発祥とする『かすうどん』の味を知る人は、いったいどれくらい居るのだろうか。


 初めてかすうどんを食べた人は、だいたいが「何だこれ! めちゃ旨いな!」という感想を持つのだが、「どんな味なの? 何系の味?」と他人に聞かれても、旨く答えられる人を僕は知らない。


「とにかく、ダシが独特なんだよ」


 と答えた所で、聞いた方はその味をサッパリ想像出来ない訳で。


 実際に食べた事がある人にしか想像出来ない旨さ。


 これ、物語の中ではどう表現するのがいいのだろうか。


 そして、大阪の「かすうどんが好きな人」は、かすうどんの旨さをどう表現するのだろうか。


 そして、僕は今日食べたラーメンを、どう表現すれば良いのだろうか。


 僕が何を言いたいのかが理解できちゃう聡明な読者の方がいれば、是非ともご教示頂ければと願う、今日の僕なのでありました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る