(111)暑さ

 今日は東京も真夏日になり、仕事中にペットボトルの水を4本も飲んだ。


 急な気温上昇に身体を順応させるのに一苦労な訳だが、報道ではこの暑さを「真夏の様な暑さ」と表現していた。


 気温が32度を超えたりしていたので、確かに真夏の様な暑さではあるのだが、暑さを表現するには少しチープな気がしなくもない。


 実際に真夏になれば、「うだる様な暑さ」とか「危険な暑さ」とか聞く事になるのだろうが、これも何だかマンネリ化している気がする。


 新語メーカーとして名高い女子高生達の会話をそれとなく聞いてみても、


「暑過ぎてヤバい」

「教室クーラー無いのヤバいよね」

「昨日体育あったし、ヤバくない?」


 と、何だかとにかく「ヤバい」らしい。


 おかしいな。


 もっと驚く様な表現が生まれてもおかしくない筈だが…


 パンデミックのせいで、言語製造能力が弱くなってしまったのだろうか。


 しかしまあ、僕のこんなつまらない願望を女子高生達に託すのも申し訳ない気もするので、ちょいと自分で考えてみようかな。


 そうだなぁ…


 まるで亜熱帯気候の様な暑さなので、東南アジアの雰囲気を取り入れるのがいいかも知れないな。


 でも、日本語がベースにあるべきだろうから、日本人が発音しやすい感じがいいな。


 更には「暑い」という既存の単語をイメージ出来るものが望ましいと思うんだよな。


 うーん…


 残念ながら、僕には女子高生みたいな斬新な言葉は生みだせそうに無いな。


 色々考えてみたが、こんな言葉しか思い浮かばなかった。


「あてゅい」



 やっぱダメだな。

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