ことばの悦楽

（75）万事 塞翁が馬

　世間では、何やらサッカーワールドカップで盛り上がっている様だ。

　初戦の相手がドイツだったらしく、超名門チームを相手に勝利したとかで、確かに凄い成果を挙げたんだと感心する。

　で、毎度恒例の「ゴミ拾いをするサポーター」が、カタールの主催者から表彰を受けたんだとかで、とても誇らしい気持ちになっている日本人も多い事だろう。

　事実、外国人が日本に来ると、「信じられないくらいに街が綺麗だ」と賛辞を送ってくれるそうだ。

　確かに、諸外国と比べれば日本の都心もそこそこ綺麗だとは思うのだが、今日も車で走っていると、目の前の車が窓からゴミをポイ捨てしてたし、世界が絶賛する程のモラルを日本人が持っているかと言うと、ちょっと疑問なんだよな。

　とはいえ、昭和の日本はもっと治安が悪かった訳で。

　平成の世になってから、随分と治安が良くなったのは肌で感じるところだ。

　が、令和に入ってからは、再び人々の心が殺伐としてきているのも感じる訳で。

　これがコロナのせいなのか政治のせいなのかは分からないが･･･　まあ、両方かな。

　今や日本も元首相が街中で殺害される国だ。

　治安が良いなんて胸を張って言える国では既に無いのだろう。

　こういう時代だから仕方が無いのかも知れないが、僕はやはり社会のこうした「ステレオタイプ」に踊らされる風潮というのはどうかと思う。

　もっと現実を深く見ていくと、日本は相当カオス状態に陥っていると思う訳だ。

　岸田政権の閣僚が次々と不正やら何やらで叩かれているが、そもそも、そんな人間しか閣僚になれない社会の仕組みが「正しい姿」な訳が無いしね。

　僕が書いた長編小説「ホームレスが異世界を統治したら～」では、そうしたカオスを表現している部分が多々あり、そしてそれを「どうすれば解決できるのか」まで、それとなく表現して完結させているのだが、現実はこんなファンタジーの様にはいかないのかね。

　今度、ドロドロの政治物語でも書いた方がいいのかも知れないな。

　誰も読んでくれないかも知れないけどな。

　それにしても、何だか今日はモヤモヤする金曜日だな。

　天気も良かったし、気持ちのいい秋晴れだったんだけどな。

　こういう心が落ち着かない時ってのは、何かありそうで嫌なんだよな。

　ほんと、良くない事が起きる前兆とかじゃない事を、心から祈りますのよ。

　マジで。