ことばの悦楽

（68）ステルス値上げ

　小説とはまったく関係が無い事なのだが、先日用事があって秋葉原に行った時、仕事の隙間時間を使ってちょっと遅めのランチを摂ろうと、さっさと食べられそうなファストフード店を探していた。

　マクドナルドや立ち食い蕎麦屋が意外にも混んでいて、結局すぐ傍にあった回転すしの店に入る事にした。

　店の名前は忘れたが、昔から幾度となく利用した事のある店だった。

　で、店内に入るや否や、壁に張り紙があって、「値上げしました。１皿１０２円→１１１円（税別）」と書かれている。

　まあ、日本政府がアホな事しかしていないので、今はどこも値上げせざるを得ないのだろう。

　まあ、仕方が無いよね。

　と思って、取り合えず時間が無いので、レーンに回っている寿司を適当に３皿くらい取ったのだが･･･

　ネタが小さいんですよ。

　もんの凄く！

　エンガワなんて、シャリの半分くらいの幅しかない！

　何これ、稚魚（ちぎょ）なの？　とか疑いたくなるほどに。

　びんとろなんて、「よくこんなに薄く切ったな！」と包丁の技術に感動できるレベルで薄い！

　いやいや、値上げしたんならネタのサイズは維持しようよ。

　イカなんて、幅1.5センチくらいに切られていたし。

　これは駄目だ。食べ応えも無いしコスパも悪い。

　という訳で、３皿だけ食べてすぐに会計をして店を出た。

　おかげで支払った金額は税込360円だ。

　まあ、急いでいたのでランチをさっさと済ませられたと思えばいいのかも知れないが、最近こうした「ステルス値上げ」みたいなの多すぎない？

　プリングルスも小さくなってるし、カントリーマームも小さくなってるし。

　なんていうか、食べ応えが無くなってるんだよね。

　こんな事ならサイズをそのままにして普通に値上げをしてほしいんだよね。

　だって、今は原料価格が高騰してるから値上げが必要なんだろうけど、原料価格が下がったら値下げできるじゃん？

　でも、ステルス値上げでサイズを小さくしてしまったら、原料価格が下がってもサイズはそのままじゃん？

　それって只の「品質低下」だよね。

　メイドインジャパンが高品質だったのは、もはや過去の話なんだな。

　つまるところ、日本製が高品質だというのは、古（いにしえ）の「伝説」でしか無いのじゃよ。