(41)流行語
小説の舞台が昭和の日本だったりする場合、当時の流行語なんてものを会話の中に散りばめる事でその世界観を表現する事ができる。
が、僕も昭和後期を生きた者として、当時の流行語にどんなものがあるかを思い出そうとしてもなかなか思い出せない事がある。
何となくすぐに思い出せたものの中で「激しい怒り」を表現するのに「ぷっつん来た!」というのがあるのだが、これっていつ頃の流行語だっけか。
今では「キレちまったよ!」みたいな表現をすると思うのだが、当時は「あーもう!ぷっつん来たよ!」みたいなのが、日常的に使われていた。
他にも、僕が小学生の頃にクラスの女子によく言われたのが「ほとんどビョーキ」というものだ。
一生懸命に何かに打ち込んでいる時に言われた言葉で、今で言うと「〇〇にハマってる」人を見て「ほとんどビョーキ」などと
団塊ジュニアと呼ばれる僕の世代は「右に
なので親から叱責される時は「〇〇君はこう出来るのに、何でアンタはこうできないの!」みたいな、誰かと比較して叱られる事が主流だった様に思う。
おかげで、特殊な能力など芽生える社会構造では無かった気もするし、今の様な「特殊能力を伸ばす教育」などは皆無だった気がする。
逆に、特殊な能力を発揮しようものなら「ビョーキ」扱いで仲間外れにされる訳で。
まったく、まるで共産主義社会みたいだったんだな、と改めて思う次第だ。
他にも、恋人同士がイチャイチャする事を「ニャンニャンする」などと言っていた気がする。
子供心に言葉の意味は分からないものの、何となく
卑猥繋がりで言うと、テレビで芸能人が「FFされちゃいました!」みたいなのを聞いた事がある。
今の若い子は「FF」と言えば「ファイナルファンタジー」の事かと思うかも知れないが、僕が中学生の頃、確か昭和62年とかそれくらいの頃は、「FFされちゃいました」と言えば「フライデーとかフォーカスにスキャンダル記事が掲載されました」という意味になる。
ちなみに、当時ファミコンでも「ファイナルファンタジー」の初代が発表されて、ファミコンでピコピコ遊んでいる僕達世代の事を「新人類」などと呼ぶ風潮もあった気がする。
つまりは、大人には理解できない「ファミコン」という機械を巧みに操作する僕達の事が、まるで「新しい人類」に見えたという事なのかも知れない。
ともあれ、こうした流行語を巧みに小説の中に組み込んでいく事で、その時代を巧く表現できるのではと思う訳だ。
しかし・・・、若い読者には理解できないだろう事を思うと、表現の仕方には工夫が必要そうだな。
うむ、どうにか良い策を考えなくちゃな。
ほんと、表現っていうのは難しいものだ。
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