(29)矛盾
何か読者を笑わせられるような文章は無いものかと考える事がある。
そうした時、インターネットの「BOKETE」というのを動画で見る様にしている。
お題に対して何かしらボケるというものを抜粋した動画なのだが、これがなかなか面白い。
みんな本当に笑いのセンスがあるなぁといつも思う。
笑いというのは「思わぬ事」が発生した時に起こるものだと、個人的には思っている。
思わぬ事というのは、「まさかそう来るとは」という事で、思わずツッコミたくなる様な出来事を表現する事なのだろうと思っている。
そんな時、僕は「矛盾」という表現を使う事が多い気がしている。
例えば、「黒い~」の次に来る言葉を「白馬」にすると、「何でやねん!」となる。
「前へ前へとバックした」みたいなのもその類だ。
僕の小説でも「帆地槍さんのペーソス」の第9話で、帆地槍さんが上野公園で花頼さんと初めてデートするシーンがある。
そこで、カフェを探しながら案内板を見て、「この道を右です」と左を指さしながら言うシーンがある。
これも、読者がクスっと笑ってもらえればという想いで書いたものだ。
シリアスな物語でも、やはり笑いというのは欲しいところだ。
「笑う」という心の動きに対して、「泣く」という心の動きは正反対にあるものだと思うが、しかし、「泣かせる為には笑わせなければならない」と、個人的にそう思っている。
これはつまり、読者の心の振れ幅を大きくするのが大切だと考えているという事だ。
「泣かせる為に笑わせる」というのも一つの矛盾に聞こえるかも知れないが、ただ悲しい話で泣かせるよりも、笑ってから泣いた方が、何となく、泣いた後にスッキリする気がしているのだ。
つまるところ、僕が書く小説で「面白いなぁ、笑えるなぁ」というシーンがあった時は、「次に泣かせるつもりじゃなかろうか」と想像してもらえれば、概ねそれは正解かも知れない。
今はまだそんな手法しか思いついていないが、これからもっと腕を磨いて、きちんと読者を感動して泣かせられる様になりたいと思っている。
まだまだ道は長そうだな。
頑張らねばなるまいて。
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