(11)赤ちゃん
この世で一番かわいいものは、赤ちゃんのほっぺである。
というのは私だけの持論である。
共感を得た事は、まだ無い。
さて、そんな赤ちゃんなのだが、あの可愛さをどうやって文章で表現するのが良いか、悩んだ事は無いだろうか。
小さくて卵型のシルエットに包まれたあの愛らしい赤ちゃんの姿を文字で表現したいのに、私の文才の無さが邪魔をして、なかなか満足できる表現に至らない。
ただ「可愛い」というのでは足りない気がするし「可愛いいいい!」というのも違う気がする。
赤ちゃんの一つ一つのパーツを具体的に説明するのがいいのかも知れないが、
「細くて柔らかな髪の毛が重力に逆らって緩やかに逆立ち、卵の剥き身の様にすべらかな肌は、ぷにぷにとして愛らしい。小さな手は僕の人差し指を一生懸命に握りしめ、俯いた時にこぼれそうになるほっぺは、マシュマロの様に柔らかく・・・」
などと書いていては、赤ちゃんの可愛さを説明するだけで1ページは費やしてしまうだろう。
もっと端的に短い文章で「これぞ赤ちゃんを表す最高の表現だ!」と思えるものは無いのだろうか・・・
これまで色々な本を読んできたが、赤ちゃんの可愛さの表現に満足した事が無い私は、今もまだ「出会うべき物に出会えていない」という思いを抱いている。
あの絶妙な弾力と柔らかさを有するほっぺと、それに付随する身体全体を表現するにはどうしたらいいのだろうか・・・
何かの本で、豆腐について表現した文章を読んだ事がある。
「四角四面の仏頂面だが、柔らかさ申し分なく、身を崩さぬだけの張りもある。香り良く、
だっけか?
あやふやな記憶力で申し訳ないが、確かこんな感じだったと思う。
この調子で赤ちゃんを表現したらどうなるんだろう・・・
「すべすべむにむに、柔らかさ申し分なく、ほっぺが落ちぬだけの張りもある」
みたいな感じかな?
違うかな?
違うよな。
やはり赤ちゃんほっぺの可愛さは、文字では表せぬ程に偉大なのかも知れない。
ああ・・・、むにむにしたいな。
この気持ち、文章には表せませんね。
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