それは、りかの宿題。を完全版にした、姉妹作のウメチカとの輝けるコラボ作品。題して『それは、ちかの繰り広げられる大追跡。そして、りかの大きな宿題。』今明かされる舞台裏には、もう一つのドラマが存在したの。
Chase 05 Chika side そして、二人でお勉強。
Chase 05 Chika side そして、二人でお勉強。
――
すると鳴り響く!
そしてこだまする玄関のベル。或いはチャイムとでもいうべきか。……とにかく出る。
お母さんでも、お祖母ちゃんでもなく、またはママでもなく、僕自身が開ける、玄関のドアを。茶色のドア……軽快に開く。インターフォンは備え付けだけれども、わかるの。
「
「おおっ、いつになく元気だな、
何か燥ぐそんな心境で、ふと思った。
新年の御挨拶を済ましてから、もう九日目。えっと、太郎君とは三箇日の最終日だったから……指折り指折りで「七日目。だろ」と、僕より先に答えを導き出した太郎君。
「何でわかったの?」
それは『七日目』のことを指したのではなく、声に出してないはずの僕の言葉たち。つまり、多分、以前もあったと思うけれど、ねえ、僕の思っていることがわかるの?
「わかるよ。千佳はよく顔に出るから……」
そ、そうなの? 急に顔が火照る。きっと、いっぱい見られている。
「まあ、それを知ってるのは多分、俺だけだし……あっ、梨花お姉もか。ところで梨花お姉って今いるかな? お借りしてたドライバー、お返ししたいのだが」
何故か急に『お』を付ける太郎君。……ちょっとちょっと、どうして梨花には『お姉』と付けて、丁寧な言葉になるの? 梨花はお姉ちゃんだけれど、僕と同い年だし……
タメなんだよ。
「千佳、そんなに顔を赤くして膨れなくても、千佳だからなんだよ。……そのな、俺との距離が近い奴って。くっつくぐらいの距離かな、喩えるなら……」
と、言いながら太郎君は、ほんのり顔が赤くなっていた。
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