死天魔異聞録

海月えりん

序章

この世界には不思議なことが起こるという噂があった

それは死んだ人間は魔物へと転生してもう一度生を受けるということ

けれど魔物になると人間だった頃の知性を失い記憶も失い辺りを彷徨い、いずれ第2の死を迎え全てを失った空っぽの魂は浄化される


そのはずだった


俺は死んだ、多分病気だった

いや、どうして死んだかなんて覚えてない

魔物化して目が覚めたのは学校の校舎近く

剣の形をした悪魔種それが今の自分の姿だった

校舎付近の窓ガラスで自分の姿を見て死んだと理解したのだ

ただその時ひとつの疑問が浮かんだ

俺はどうして自分を認識しているんだ…どうして完全じゃないとはいえ記憶があるんだと

俺はよく分からないがこれには訳があるとそう考えた

そして時間をかければ記憶を取り戻し…いや、それではダメだそのうち浄化されてしまうかもしれない

ならばどうする

俺はもっと力をつけるしかない、他の魔物を倒し自らへ取り込んででも

そこから俺の第2の人生、いや魔物生が始まった

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