感情創死

@hatimiya

序章

20xx年 某日


男は、目が覚めると真っ白い空間にいた。

男は、都内某所の商社に勤めるサラリーマンだ。

至って普通に日常に生きていた。


これは、俗に言う異世界転移前の神様に会って異世界に行く流れなのだろうか。

困るな、今日も仕事が多いのに、はぁー


男は、俗に言う社畜と言われる人物だった。

常に仕事をしていないと不安になる程、仕事に追い込まれていた。


「これこれ、なぜため息を出す。ここは神聖な場所じゃぞ」

「神様、言ってはなんですが突然こんな何もないところにいたら、ため息をつきたくなりましますよ」

「確かにそうかもしれんが、わしたちがいる目の前でため息を吐くなくてもよかろうよ」


俺は、目の前にいる老人と羽の生えた女性の人が何やら話しているが、ぶちゃっけ帰りたい。早く仕事に行きたい。


「あやつ、本当にいい度胸していると思わんか、コロエルよ」

「確かにすごい度胸ですね。こんな空間にいるのに。そろそろ説明しましょう神様」

「そうじゃな」

神様は、そう言うとと仕方なさそうに言うのだった。


なんだか腑に落ちない。

こんなところに呼び出し置いてなんて奴らなのだろうか。


「お主、加賀美直也よそんな不機嫌そうな顔をするな」

なんで、俺の名前を知っているだ。

まさか、フィッシング詐欺に引っかかった?

やばい、今すぐ変えないと、

「違うわい、神の力で分かったのじゃ」

「そうですよ、このお方は神が一柱 ザウス様です。個人情報を見ることは、些細な事です。少しは敬って接してください」

よかった詐欺に引っかかってない、クレジット情報変えるの手間が多いから助かった。

さて仕事にいないとそろそろ時間がやばい気がする。

「そんなことよりいつ終わりますか?会社に遅れるとまずいですけど」

「そんなこと…コロエルよ、お主が説明してくないか。わしは、なんか苦手じゃ」

「分かりました、私が説明致します。加賀美さん、あなたには4つの世界に行っていただき、感情を取り戻していただきます」

「何を言っているのかわからないですが、そもそも感情はあるので、元の場所に返してください」

「いいえ、あなたは感情を失っています。過去の出来事によって」

「そんなことは、ないです」

「いいえ、あなたは失っています。感情を失うのは、世界にとって許されない行為です」

「何故です?」

「それは、人間という生物を捨てると同義です。なので感情を取り戻してもらいます」

「そうじゃ、ゆえに行ってもらう」

「いや、行きませんよ」

「はぁ〜神に逆らうことはできん、次に会うときは、人間になっているのじゃよ」

神が発した言葉を最後に意識を失った。

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