第6話 作戦会議

「じゃあ、作戦会議を始めようぜ」

 ノートパソコンのある小さな机の周りに、みんなが集まった。

 新しい情報がいくつか入ったらしい。

 自衛隊が動き出した。

 まずは主要都市からゾンビの殲滅と生存者の救助にあたるとこのこと。つまり、こんな田舎町には当分救助は来ない。各地域の警察も管轄内での救助活動を進めているようだが、ゾンビ化した警察官も出ていてあまりあてにならないみたいだ。

「じゃあ、安全な場所で待機すること。で、危険な場所にいる生存者がいたら俺たちで助けてやる必要があるな」

 マコトさんが、いつもよりさらにたくましく、かっこよく見える。

 ゲンさんと奏太はハマーで生存者の救出、食糧の確保。

 マコトさんたちは、SNSで生存者情報の収集、生存者の受け入れ準備。そして、車両のカスタムパーツやカスタムカーの開発を進めることになった。

 リュウジさんが、パソコンで車両の資料を見せてくれた。

「今、スクラップ予定の自衛隊仕様のメガクルーザーを取り寄せてる。こいつなら、人もたくさん運べるようになる。ソウタのステージだって、もっと頑丈にできるんじゃないかな」

「今さら法律なんて関係ねえだろ。不正改造し放題って、最高じゃねえか!」

 マコトさんは嬉しそうだ。スタッフのみんなも子供のようにワクワクした目をしている。呆れた大人たちだ。



 ギターに関する情報も入ってきた。

 ギターのノイズでゾンビを倒せるのは間違いない。そして、やはりギタリストの実力とサウンドが攻撃力を大きく左右するようだ。

「その点なら、なんとかなる」

 ゲンさんの自信たっぷりに続ける。

「ギタリストの実力は、テクニックと経験とソウルだ。ソウタのテクニックはまだまだだが、初期衝動っていう強烈なソウルがある。で、経験は今から嫌でも積むことになるから大丈夫だ!」

 奏太は照れながらも勇気づけられる。もうびくびくなんかしていられない。

 さらに、ベースとドラムのリズム隊の方が、ギターの攻撃力は何倍にもなるというツイートもいくつか見つかった。

「ドラムとベースか……。俺の知る限り、このあたりにはいないな。リズム隊を探すのは後回しにしよう。マコト、リズム隊の情報も探しといてくれよ」

「おうっ、わかった」

 高校時代、ドラムを叩いていたマコトさんは音楽についても詳しいのだ。

 ギターサウンドについては、ロクゲン楽器の在庫からエフェクターやアンプを組み合わせながら攻撃力の高いサウンドを探せばいい。そして、行動範囲が広まって遠くの街まで行けるようになれば、大きな楽器屋もいくつかある。そこで機材を調達することになった。

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