呪われ姫と最強の黒鳥

第1話 姫と騎士

　この世界には表社会と裏社会があった。表社会は、いつもの日常。裏社会とは、恵まれた人しか行かない夢のような場所。しかし、それは危険を背負うことでもあった。

　いつものように学校に登校して、友達に愚痴をいう女子がいた。姫菜だ。

「あのさ、雪ちゃん聞いて〜。あのね、行きつけのカフェがあるんだけどね、そこの季節の限定ケーキが売り切れてたのぉ〜。」

　このくだらないことを言っている、この姫菜も裏の住人だ。裏の名は、呪われ姫。略されて姫と呼ばれている。

他の学校でも、裏の住人はいる。例えば、他の学校の男子とか。

　「今日さ、帰り、カラオケいかね？ちょっといいばしょみつけてさ〜」

　こんな普通の高校生らしいことを言っていても、この男子、綾も裏の住人だ。そして綾の裏の名は騎士と黒鳥。

　裏の住人は、表社会の事情を知ってはならない。だから裏の社会での名前がある。黒猫や、みたらし、騎士などの。

　裏社会は、異次元にあるため表社会の人にバレることはない。そして、裏社会、ユリンの悪が表社会、ヒリンの世界に出てくることはない。ユリンの悪は、夢幻。表社会の夢のような幻のようなもの。そして、夢幻からユリンを守るためにいるのが能力者。ユリンでの名前がついたヒリンの者たちだ。

　ユリンではランク付けされる。ランクは沢山ある。が、ランク付けされないものがいる。それはランクでは表せないということだ。そのものたちを、

「神の領域を超えたもの」

という。そして、その名を持つものの名は、

「呪われ姫、黒鳥」