茜ちゃんのこと、或いはマッチポンプのこと
221:ハカセ
そういやこの前エレスちゃんと牛丼食べた
222:名無しの戦闘員
浮気?
223:名無しの戦闘員
エレハカ女が推してたボクっ娘背徳浮気ルートがついに……
224:ハカセ
し て ま せ ん
単にお昼に偶然牛丼屋で会ったから相席しただけや
まあちょこちょこ雑談はしたけどな
225:名無しの戦闘員
あれだよね
ハカセがフィオナちゃんの想い人ってのを前提にすると地味に気まずい関係じゃない?
226:名無しの戦闘員
極端に言ったらカノジョの友達と二人きりでご飯食べてる状況だしな
227:ハカセ
お互いそういう感情がある訳でもなし
ふつーに牛丼食べて帰っただけや
まあお悩み相談くらいはされたかな?
228:名無しの戦闘員
エレスちゃんの悩みってどんなん?
229:ハカセ
匿名掲示板で本人の了承なしに相談内容を晒すわけないやろ
230:名無しの戦闘員
ごもっとも
231:名無しの戦闘員
エレスちゃんって元気っ娘イメージ強いから悩み相談とかちょっと意外
◆
「最近なんだか、疎外感があって……」
「えぇ……」
ボクは牛丼屋で晴彦さん相手に悩みを打ち明けた。
こういうの相談できる相手ほとんどいないんです、ごめんなさい。
* * *
最初は単にお昼ご飯を食べに出かけただけだった。
結城家は四人家族。
お父さんとお母さん。ボクに弟。
よく妹っぽいと言われるけど、ボクはお姉さんです。
ちなみに弟はすごく生意気。
同い年の萌ちゃんには「朝比奈さん、来てくれたの⁉」で、ボクには「おい、アカネ!」だ。
ある土曜日のこと。
この日は家族全員それぞれ予定があって出払っていた。
ボク一人だしお昼どうしようかなーと考えていると、急に牛丼が食べたくなってきた。
ボクの好物はお肉と白ご飯。なので焼肉とか牛丼が大好きです。
それを聞いたクラスの男子は“ホントに結城は男みたいなヤツだなw”なんてからかってくる。
別にいいじゃん、牛丼好きでも。
ということでボクは近所の牛丼チェーンに行くことにした。
「ボクは牛丼並盛と、半熟卵でお願いします」
「私は牛丼大盛で」
……そして、何故か晴彦さんと相席することになった。
どちらかが誘ったとかではなく単に偶然出会っただけ。
晴彦さんは土曜日も仕事だったようで、系列会社を訪問した帰りだったらしい。
昼食は近場で済ませようと牛丼屋さんにしたらちょうどボクがいた、みたいな感じだ。
「すまないな、相席になってしまって」
「晴彦さんなら全然大丈夫ですよ!」
お世辞じゃない。
歳は離れてるけど晴彦さんとは親しくさせてもらっている。美衣那ちゃんも含めて仲のいい友達のつもりだ。
注文してから早いのが牛丼屋さんのいいところ。
二人して「いただきます」と言って箸をつける。
「よし、と」
晴彦さんは牛丼の上に紅ショウガをたっぷり乗せて、ワシワシと食べている。
普通の食事風景なんだけど違和感が強い。
その、なんというか…………牛丼が似合わない。
すごく整った顔をしてる晴彦さんは、子牛のブルゴーニュ風なんちゃらとかをナイフとフォークで召し上がるイメージだ。
「晴彦さんって、すっごく美味しそうに食べますね」
「普通に美味しいよ。まだ仕事の途中だからキムチは控えておいたが」
その返しもちょっと意外。
ボクも喫茶店ニルのマスターから晴彦さんの過去を聞いている。
上流階級の人ってファミレスとかチェーン店とかあんまり好きじゃないと思っていた。
あ、そう言えば沙雪ちゃんも普通に食べてるや。
「ですよね、牛丼美味しいですよね。でもクラスの男子、ボクが好きだって言ったら馬鹿にするんですよ?」
「そうなのか? まあ、イメージの問題かな。アイドルが食べていたら少し違うな、と私も感じるかもしれない」
「アイドルって……ボクですよ? あはは、ないない。普段から男の子扱い受けてますし!」
「……うん、せやねー」
なんでかちょっと優しい感じの微笑みを向けられた。
どゆこと?
「イメージって言うなら晴彦さんもじゃないですか。もっとこう、コースな料理食べてそうな感じがするというか」
「私は牛丼もラーメンも好きだよ。なんなら意に沿わない高級料理よりも余程」
ボクが小首を傾げると、晴彦さんはからかうように口の端を吊り上げる。
「いいことを教えてあげよう。大人になると、美味しくないご馳走を食べる機会が増えるぞ。上層のクソどもと食べる高級料理なんぞ味が一切しなかった」
「じょうそう?」
「ああ、上司とか先輩とか。社会人になれば嫌いな相手と笑顔で食事をしないといけない場面も多い。大変だぞー、特に茜ちゃんは可愛いから絶対に誘いがあるからなー」
「いやいや、妙な脅しをかけないで……というか普通にかわいいとかやめてくださいよっ⁉」
この人、実はけっこう簡単に可愛いと綺麗とか褒めてくる。
あんまり周りにいないタイプなので、照れて顔を赤くしてしまうのでちょっと困ったり。
いや、嬉しいけどね?
クラスの男子はああだし、弟もあれだし、実はボクをちゃんと可愛いって言ってくれる男の人って晴彦さんだけだったりするかも。
「まあ、今は何を食べても大体美味しいよ。今日は茜ちゃんもいるから余計に」
「もう、またそう言うことを……美衣那ちゃんに言いつけますよ?」
「すみません。少し揶揄い過ぎました」
「わー、すなおー」
このお兄さん、美衣那ちゃんにはすっごく弱いのだ。
ボクは知ってる。妹の我儘を困ったふりをしつつも優しく微笑む晴彦さんを。ウチの弟は見習ってください。……あれ、この場合見習うのはボクの方?
「というか、毎日頑張って仕事してれば余程のゲテ以外は大体美味しい」
「雑にまとめましたね。でも、やっぱりお仕事忙しいんですか?」
「それなりにはね。買って出た苦労ではあるんだけど、なんとも」
普段苦労を感じさせないから勘違いしてしまうけど、マスターから聞いた子供時代も決して恵まれた者じゃなかった。
こういうところ、やっぱり大人なんだなぁと思う。
だからだろう。
ご飯を食べつつ雑談を続けるうちに、ボクはなんとなく。あくまでなんとなーく悩みを打ち明ける流れになった。
「最近なんだか、疎外感があって……」
「えぇ……」
悩みの内容は沙雪ちゃんと萌ちゃんのこと。
普段は大の親友だし、すっごく仲がいい。
でも変身してデルンケムと戦う時だけ、二人とも微妙に今までとノリが違うというか。
萌ちゃんが積極的に敵を倒すようになったし、沙雪ちゃんに関しては妙なくらい首領セルレとハルヴィエド統括幹部を意識してる。
『いくら敵とはいえ、ハルヴィエドに対する首領セルレの行いは認められないわ』
ってすっごく真剣な顔で言っていた。
うん、ボクも分かるけどね? ひどい奴だとは思うけど、なんでそこまでハルヴィエドに肩入れするんだろう。
他の男の人を気に掛けるのって、晴彦さん的には嫌なんじゃないかなーとか思ってしまう。
「喧嘩してる訳じゃないんですよ? でも時々、なんというか」
「あー、つまり。沙雪ちゃん達と仲がいいのに噛み合わないタイミングがある、みたいな話でいいのかな?」
「はい……」
「そうか……(ヤバイ、完全に私が原因だ)」
デルンケムとかの話を誤魔化したから、ふんわりとした説明になってしまった。
でも納得してくれたみたいで、晴彦さんはボクの方に向き直る。
「ごめんな。それはきっと、私のせいだな(ガチで)」
そしてボクの目をまっすぐ見て、真剣な顔でそう言った。
「えっ?」
「ほら、沙雪ちゃんを誘って、で、デートをしたり、しているだろう? 君たちの邪魔をしないよう気遣っているつもりではいたんだが、それでも違和感が出てきてしまったのかもしれない。うん、そんな気がする」
言われてみれば、確かに。
まだ付き合っていないけど、実質沙雪ちゃんはカレシ持ちみたいなものだから、少しだけズレちゃったのかも。
「萌ちゃんも、中学一年生だったか。成長するほどに秘密は増えるだろうしね。でも、茜ちゃんは二人が大好きなんだろう?」
「はい、それはもちろん!」
「なら少しだけ、見ないふりをしてあげてくれないかな(主に私のことを)。私の方もこれまで以上に気を付けようと思う。迷惑をかけてすまない」
申し訳なさそうに晴彦さんは頭を下げた。
大人の男性の真摯な謝罪にボクは慌ててしまう。
「あ、謝らないでくださいよ晴彦さん! ボクの方こそなんかごめんなさい!」
ちょっと疎外感を感じてたのはホントだけど。
でもボクは沙雪ちゃんのことを応援している。いつか二人が恋人同士になれたらなー、なんて思ったりもしていた。
ただ萌ちゃんの変化も重なって、何となく寂しくなってしまったんだと思う。
そう気付いたら、少しだけ気が楽になった。
「お話聞いてくれてありがとうございます、なんかすっきりしました!」
「うん、ごめんね? 感謝されるとすごく心苦しい」←大体の原因はコイツ
お礼を言っても恐縮されてしまった。
ボクみたいな子供に真剣に向き合ってくれるのだから、やっぱり晴彦さんはいい人だ。
問題自体が解決したわけではないけど気分が軽くなって、ボクは一気に牛丼を食べる。
不思議といつも美味しいような気がした。
……そう言えば、ボクと晴彦さんが二人きりって珍しい気がする。
沙雪ちゃんは当然だけど、萌ちゃんもかなり懐いてるし。
そう思うと実は晴彦さんと一番距離があるのはボクだ。
『やあ、こんにちは』
『……えっ、ぼ、ボクですか!?』
『もちろん。初めまして、う、うつ、うつくくく、美しい、おっ、お嬢さん』
交流自体はボクに声をかけてくれたところから始まってるのに。
なーんかちょっと、納得いかないよーな?
あれ? よく考えると晴彦さんって最初っからボクのことを「美しい」って言ってる?
意外とお世辞じゃなくて、本気で褒めてくれてるのかな。
そんなことを考えていると途端に恥ずかしくなってきた。
「茜ちゃん、どうかしたか?」
「いっ、いえ⁉ 牛丼美味しかったですね! ま、また今度食べに来ましょう!?」
「そうだな。機会があったら、また」
なんか勢いで次の約束までしてしまった。
沙雪ちゃんの好きな人だし、別にそういう意味での好きじゃない。
だけど牛丼一杯分くらいは仲良くなれたと思う。それが結構嬉しかったり。
だからボクは満面の笑みと「ごちそーさまでした!」の一言で話を締めくくった。
楽しかったような恥ずかしかったような、そんな土曜日のことだった。
「今度は沙雪ちゃん達も誘おうか」
でもやっぱり晴彦さんは晴彦さんでした。
◆
239:ハカセ
まあ最後はいい感じの笑顔を見せてくれだけど
なんというか、エレスちゃんの悩みってだいたいワイのせいなんよね
とっても申し訳ありません
240:名無しの戦闘員
てことはデルンケム絡みか
241:名無しの戦闘員
まあ年頃の女の子だしなぁ
ハカセ達のせいで貴重な時間を潰されてるのは否めない
242:ハカセ
お詫びにもならんけど一応牛丼は奢っといた
ご飯を美味しそうに食べるエレスちゃんかわいい
前のパスタの時もそうやけど、あの子ご馳走しがいがあるわー
それはそれとしてワイが原因の悩みをワイに相談するのはどうなんですかね?
243:名無しの戦闘員
合体技の時といい地味にハカセにダメージ与えてくるよな
244:名無しの戦闘員
変身ヒロインの攻撃は甘んじて受けろよ悪の組織の科学者w
* * *
おまけ・今回の裏側『モブ男子から見る結城茜ちゃんのこと』
俺のクラスには結城茜という女の子がいる。
一年生の頃は女子バスケ部だったけど、膝を壊して辞めてしまった。
そのせいで一時期は落ち込んでいたが今では怪我も治ったらしく、元の明るい彼女に戻った。
ただバスケはもう趣味だけのようで、そこは残念だ。
「おっはよー!」
「おう、結城」
「バスケ部の調子はどう?」
「俺らは三年だからな。最後の大会で引退だよ」
「そっか、頑張れ! ボクも応援してるよー!」
結城は自分のことをボクと言う。
それに元気で明るくて遠慮のない性格だから、誰とでも仲良くなる反面、女子としては意識されづらいようだ。
他の男子から告白されたとかは聞かないし、本人も女の子らしいオシャレとか家庭的な趣味は一切ないと言っていた。
でも俺だけは知っている。
結城はすごく可愛い。
元気で明るくて、誰とでも仲良くなる
男子としてはあれだ。背は小さいけど胸は大きくて、なんというか凄い。
まあそんなことを口にして嫌われたら困る。
なので俺も親しい男友達としての接し方を崩さない。
「そういやさ、委員長にカレシできたらしいぜ」
「うそ⁉ 全然知らなかった……」
「はは、結城はそういうの興味ないもんなぁ」
「そ、そんなことないよ。ほら、ボクもシシュンキの女の子、として?」
「なに言ってんだ、こいつ」
俺はバスケ部で、一応レギュラーのせいだろう。
クラスの男子の中でも特に結城と親しい。←勘違い、茜ちゃんは皆と仲良し。
結城は根戸羅学園へ進学するつもりらしく、高校でも俺と一緒になる予定だ。
案外進学したら、ちょっと意識が変わって付き合い始めたり、なんて想像をすることもあった。
※
「でさぁ、誰が一番かわいいと思う」
「やっぱ胸だよ胸」
「あの子可愛くね?」
そんなある日、「クラスの女子で一番かわいいのは誰だ」なんて男子連中四人で盛り上がった。
定番なのはお淑やかそうな子、ギャルっぽくてスタイルがいい子。甘え上手な女の子って感じ。
当然結城の名前は上がらない。
顔は普通に美少女なのに普段の言動で損してる感じだ。
(まあ結局、あいつの魅力に気付いてるのは俺だけってことなんだよな……)×4
ちょっとした優越感がある。
実際俺があえて話題にあげてみても反応は微妙だった。
「じゃあさ、結城とかどうよ?」
「えー、あ、あいつは男友達みたいなもんじゃん」
「そーそー、スカートはいても似合わないしさ」
「なんか性別関係ない、みたいな。あいつを好きになる男とかあんまいないんじゃね?」
つまり、友達以上の感情はないということらしい。
(よし、ちょっと安心したぞ)×4
そう思ったのも束の間、この時の話がどこからか結城の耳に入ったようだ。
正確には、クラスの女子が結城をからかう感じで「あの男子四人が結城ちゃんのことを色々言ってた」みたいな告げ口をしたらしい。
くそ、余計なことを。
結城は怒ったりこそしなかったが、ちょっとムッとした様子だった。
「えー、ちょっとひどいなぁ」
「わ、悪かったよ。ただ俺らは、結城は男友達みたいに仲がいいって言いたかっただけなんだって」
焦った俺はすぐに謝る。
結城ならちゃんと謝れば許してくれるし、後に引きずらない。そういうヤツだって知っている。さっぱりしていて接しやすいやつなんだ。
だから反論されるなんて思ってもみなかった。
「別にいいけどね、怒ってる訳じゃないし。それに、キミ勘違いしてるからね?」
「へ?」
「へへん、聞いて驚け。ボクにだって、ボクのことを心配して大切だって言ってくれる男の人がいるんだぞー」
朗らかに、冗談めかして。なのにほんの少し頬を赤く染めて彼女は言う。
男友達だったはずの結城が何だか遠く感じられた。
「お、おい、結城。それって」
「えー、なに!? 結城ちゃん、詳しく教えてよー!」
「わあっ、い、いきなり抱き着くのダメだよ!?」
俺が聞くより早くクラスの女子が結城をもみくちゃにしまう。
あれは駄目だ。さすがに女子達の輪の中には入れなかった。
そのせいで、予想もしていなかった言葉が耳にこびりついている。
大切だって言ってくれる男の人。
俺は伸ばしかけた手を戻すこともできずに教室で立ち尽くしていた。
※
モヤモヤを抱えたまま、上手く謝れないまま日数が経ったある土曜日。
その日はバスケ部の練習がないため俺は駅前に出かけた。
適当に見て回っているとちょうど昼飯の時間になったので、近くの牛丼屋に足を運ぶ。
そういや結城のやつも牛丼好きだとか言ってたよな。
ったく、ホント女の子っぽいところが全然ねーやつ。
まあ、そういうところが可愛いとは思うんだけどさ。
そんなことを考えながら牛丼屋に向かうと、店舗のガラスの向こうに結城の姿を見つけた。
嬉しくなって店に入ろうとするが俺の足はピタリと止まる。
あいつの隣にはモデルみたいな大人の男がいた。
声は聞こえない。でもなんだか楽しそうだ。
男が何かを言うと結城は顔を真っ赤にしていた。
怒ってるように見せてるけど、口はもにょもにょと動いている。
たぶんあれはじゃれ合ってるだけなんだろう、ということは簡単に分かった。
しばらく話し込んでる二人。
途中ちょっと変な様子だったけど、最後に結城は満面の笑みを男に向けていた。
……俺が今まで見たことのない笑顔だった。
だから俺は結局牛丼屋に入らなかった。
誰が最初にあいつのことを男友達みたいなんて言ったんだっけ?
分からないけれど、あの店には俺の男友達はいなくて、すごく可愛い女の子がいた。
◆
そんなこんなで夜のこと。
「ふわぁ、今日は楽しかったなー…………………はっ!?」
↑
お風呂に入りながら、よくよく考えたら今日のボクっていわゆる『相談オンナ』なのではと気付いて青ざめる茜ちゃん。
※『相談オンナ』
友達のカレシに「あのぉー、私ちょっと相談があってー」とか言いつつ近付いて奪っていくタイプの女性。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます