ゲーム世界の亡国する第三王子に転生した。

隴前

第1話 不思議な死

九の伝説録というゲームがあった。このゲームのグラフィクは今でているゲームよりかはクリアではなかった。でも昔ながらのRPGゲームとして一部の層に人気になった。

 俺もそのファンの一人だ。というもの九の伝説録は内容はシンプルでボスや裏ボスを倒すのではなく倒す倒さないはプレーヤーで選べてさらにヒロインとのルートもあった。が開発者はボスを倒さないとのちにさらに強力になりそのボスが登場するイベントを発生させた。

 このことによりヒロインの中でそのヒロインルートにしていくのが困難なキャラも出てきた。だからって諦めるようなプレーヤーはいなかった。プレーヤー同士で情報の共有をし合い一歩ずつ完全ルート制覇を目指した。

 ここで急展開が起きた。それは九の伝説録〜そのニが発売されたのだ。続作が出た喜びとその一のルート制覇をしていない残念さを噛み締めながらプレーヤーはそのニを買った。


 そしてルート制覇があと少しのところでその三、その四とまるで見計らったように続作が発売された。

 プレーヤーは情報共有している中に開発者がいると思った。でもそのことについて言及することはなかった。なぜなら続作が出ることはファンとしてありがたいことだった。

 その五が発売された時、プレーヤーの情報共有用として使っていたネット掲示板にとある書き込みがあった。それはとあるプレーヤーからだった。


『その六でこの九の伝説録を終わります。プレーヤーの皆様ここまで九の伝説録を盛り上げてくださってありがとうございます。そしてこれからも九の伝説録のファンでいて下さい。開発者より』


 俺もどのプレーヤーも驚きを隠せなかった。ゲームの終了にもちろん驚くがそれはゲームになれば絶対にあることだ。それ以上に掲示板にそのような書き込みをしたプレーヤーは普段から献身的に情報を下さった方だったから。


『いつも情報を下さりありがとうございます、ちゃんとその六が発売されても情報は下さい』

『もちろんです!』


とプレーヤーは開発者にお礼の言葉などを送り開発者はその一人一人に返事をした。

最後に開発者はこう書いた。


『lake君』

『はい?』


 lakeとは俺のプレーヤー名である。俺の名前が出たことに疑問を思いつつ、何かあるのか期待していた。


『バァン、なんちゃって、lake君だけじゃなくてプレーヤーみんなにもう一度ありがとうございます、その六楽しみに待っておいて下さい!!』


 一方俺はというと吐血していた。


(は?どういうことだ?)


 すぐに患部を触るとそこが心臓のあたりであることを理解した。

こうして俺は人生に幕を閉じた。

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