はなたばをたば、たをばたな

ポテトマト

序幕

ある独白

受け取った感触は、まるで花束でした。

香りに机、空っぽの室内。

星の海が、広がってゆきます。

閉じた瞼の、内側の世界。

真っ暗な、部屋の中に。

満ちて、いるのです。

雫が、滴り落ちた音。

淑やかな、お酒の匂いが。

暖かく、なってきました。

強く握った、万年筆の感触。

紙川様からの、贈り物が。

私が、混ざってゆきます。

脳裏に残ったインクは、白くて。

私の身体は、滑らかなまま。

勝手に、進んでゆくのです。

ぐにゃと叫んだ、筆の運び。

言葉の働きに、任せて。

次第に、滅んでゆきます。

私の、つぶさな思考。

祈りにも似た、気持ちの固さが。

空白です。

浮かび上がったのは、いつでも。

いつだって、空白でした。

それでも、今は感じます。

目の前に広がった、宇宙の冷たさ。

動いた指先の、感触も。

全てが、ぐにゃぐにゃなのですから。


私は今、手紙を書いています。

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