#3コア目

マーガレットは赤ちゃんであるシュレットに対して徐に話し始める。



「シュレット様は今後聡明でお顔立ちの良い男性に育つのでしょう。さすがはマズレット様とイレーナ様の御子息ですね」


「さて今日はなんの御本をお読みいたしましょうか。これなんかどうでしょう。『剣聖と美女の冒険譚』」



赤ちゃんである以上出来ることと言えば話を聞くことのみで、あとは赤ちゃんらしい生活をしていた。


そんなこんなで半年が経過した。その間首も座り、ハイハイも出来るようになり移動可能範囲がかなり広がった。

目も霞むことなく背景はクリアになり、自ずと色々な情報が入ってきた。

まだまだ分からないことだらけだが、見聞きしたことをまとめるとこんな感じになる。



・転生後の司の名前がシュレット・カールストン


・家族は父母兄姉の合計五人。メイドや執事などを合わせると九人


・住んでいる場所が子爵家領内で司は子爵家の次男にあたる


・父の名前はマルズレット・カールストン。母はイレーナ・カールストン


・兄姉が双子で兄がカーズ、姉がキャディア。5歳の元気っ子


・魔法が存在し、尚且つ異世界であった


・十歳になると教会で神官から祝詞を唱えられ、神様からコアを与えられる。これをコアの祝福と言う


・魔法は魔法媒体と呼ばれる『コア』を使用して詠唱を行い、発動させる

 魔法媒体はコアだけではないがそれはまだ見た事ない


・無属性魔法[鑑定]を行なった結果、半透明の板で他人には見えないステータスが存在し

 異世界のお約束ごとのHPやMPなどはなく、名前と性別、年齢と魔法種別などが羅列していた

 自分を鑑定した例で言うと


 —————————————————————

 名前:シュレット・カールストン

 年齢:1歳

 コア:

 潜在能力:火水風土光闇無治

 無属性:[模倣][鑑定][言語]

 称号:異世界転移者

 —————————————————————


 もちろん家族やメイド達にも鑑定はかけたがコアの祝福を受けた人には潜在能力はなかった

 鑑定は母が所持しており、司の意識がはっきりした際に鑑定をかけられ、模倣が発動したっぽい。正確な情報は定かではない

 また無属性魔法[言語]は称号の異世界転生者の効果で獲得したらしい



「あうあうあぁ」(分からないことだらけだけど、一つ確信が持てるのは、家族やメイドたちがみんな優しい人たちだってことだ)


「うぅああぅぅ!」(そして家族っていうか屋敷にいるみんな美男美女すぎるッ!あと多分マーガレットはエルフだッ!くぅぅ!)



この世界では全員が全員美男美女というわけではない。なぜかこの屋敷に集まる者は皆揃って美男美女になっているだけに過ぎない。

これは世界の謎である。嘘である。父親が採用者なのである。これ以上は禁句である。

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