お分かりですか
自らの抱えきれぬ焦燥感を罪悪感として他人に肩代わりさせることが、どれほど卑怯なことなのか、お分かりですか。
思い通りにならぬからと暴力で他人をねじ伏せることが、どれほど惨いことなのか、お分かりですか。
守るものがあるために力に屈服せざるを得ないことが、どれほど悔しいことなのか、お分かりですか。
いいえ、お分かりにならないでしょう。
お分かりになるはずがないのです。
わたくしたちのような者共の、声が聞こえていたならば、決して、このような世になりませぬ。
人は死にませぬ。人を殺しませぬ。
負わなくとも良い傷を抱えて、地獄の底を、這いつくばるように生きませぬ。
悔しくて、たまらないのです。もうずっと、この身に有り余る思いなのです。
卑怯者に抗う勇気も持たぬ己が憎いのです。
叶うことなら、痛みも恐れも持たぬ身体に、何者にも屈さぬ心に、わたくしはなりとうございます……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます