第15話
「ん?何あれ?」
「?どしたん?」
「いや今廊下を男の子が横切ったような...」
「はは...はぁ~、病院行く?」
「なんでそうなるのよ!」
「だってこんな時間に入る訳ないじゃん....同人誌じゃないんだし」
「まあそうだよね....でも確かにあれは男の姿だったはず...」
「ちょちょ、結衣さんとか大丈夫なんですか?」
「とりあえず行きましょ、早く行かないとまた結衣が暴走してしまう」
「はい……」
(ぼ、暴走?)
~撮影スタジオ~
「じゃあ始めるけど……こうちゃん、まず自己紹介してくれる?」
「はい、中弓浩二といいます、よろしくお願いします」ペコッ
ざわっざわっ
(あれ世に出して大丈夫?)
(世の中の女性が暴動を起こすわよ)
(でもVtuberなんだから大丈夫じゃないですか?)
(ふふ、まだまだ甘ちゃんね...声をなめちゃだめよ)
(そうなんですか?)
(あの声は必ず日本を取る声よ...歌わせてもヤバいんじゃないかしら....)
(浩二様専用パソコンの準備したほうがいいかしら...)
(私は最高音質のヘッドセットをもう注文したわよ)
(((はやっ!?)))
ぱちっぱちっ
「ほらみんな、ずっと呆けてないで配置について!」
「「「「「あっ!」」」」」
「えーっと、そのよろしくお願いしますね!」オネダリポーズ
「「「「「全力でやらせていただきます!!!」」」」」
「はーっ。ほらみんな準備は大丈夫?」
「大丈夫です!」
「じゃあ一カメから入りまーす、本番五秒前、五、四、三、.....」
「お疲れ様~、こうちゃん、はい、これお水~」
「ありがとうございます」
「いやぁ~君、すごいね...いわれたことをそのままできるなんて...」
「そんなことないですよ、指示あってのものです」
「いやあ、君はうまいな~...それでその悪いんだが.....スタッフのみんなと記念写真を撮らないか?」
「え?」
「あ、いやなら嫌で大丈夫なんだが...どうかな?」
「それでしたら構いませんよ」
「あぁやっぱりそうだよn....って、え?大丈夫なの?ほんとに?嘘じゃない?」
「ええ」
(口調が崩れてる....カワイイ)
「やった~!....じゃなくて...そ、そうか、すまない、ありがとう」
「そうしたら....みんな~集まって」
「どうしたんですか?」
「どしたん?」
「どうしたんでしょうか?」
「どうされました?」
「記念写真を撮ります...ちなみに浩二さんからは許可は取りました」
「ほんとに?」
「まじで?」
「浩二様と?」
「えっ?撮れるの?」
「「「「「やった~~~!!!」」」」
こうして記念写真を浩二と一緒に取った一同は思い思いに個別で写真を撮り
一夜限りの天国を噛みしめた。
その後...
「つっかれた~」
「お疲れ様です、奥様、浩二様、明日香様」
「待っていてくれてありがとうございました、夕夏さん」
「い、いえ...」テレテレ
「あ、そういえば、明日香はどこ行ってたの?」
「私はいつもの番組収録よ」
「え?ほんとに?」
「大まじよ」
「めちゃくちゃすごいね....ちなみにどんな番組なの?」
「東都王」って番組なんだけど....ってそんなことより、大丈夫だった?」
「何が?」
「局内の獣たちよ....もうほんとに心配で心配で....ちなみに...ちなみに聞くけど...お触りはされた?」
「握手程度だったらしたけど....」
「あぁ....私の大切な大切なこうちゃんが.....あとでお姉ちゃんの部屋に来てね....ハグして上書きしてあげる...」
「ちょっと....何、私のこうちゃんに唾つけようとしてるの!?」
「何よ?お母さん」
「そ、それなら私も...」
「え?夕夏も?」
「これは負けられないわね....」
「ええ....何があっても負けないんだから」
「私も負けません!」
相変わらずの前途多難さである浩二だった....
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