男女比の狂った世界で配信者になったら...

@ten-P

第1話

「おい!そっちに行ったら...」

そんな声が聞こえたときには俺の意識はすでに暗闇の中に沈んでいた。

順風満帆な人生(笑)を過ごしていた高校一年の

中弓浩二の人生は唐突に終了することとなった


ーーーーーーーーーーーー……ん?あれ、ここはどこだ?

気がついた俺は真っ白で何も無い空間にいた。

『あぁやっと気づいたか』

するといきなり背後から声を掛けられた。

振り返るとそこには白い髭を生やしたお爺さんがいた。

「えっと、どちら様ですか?」

『うむ、ワシの名は神じゃ!』

「……」

『……なんか反応せんかい!!』

「いや、急に現れた自称神様にどう反応しろと」

この爺さんは一体何を言っているんだろう? 突然目の前に神様が現れてどう反応すればいいんだよ。

とりあえずジト目を送ってみる。

すると神様は慌て出した。

そしてなんとか誤魔化そうと必死になっている。

ちょっと面白い...

「それで神様がなんの用ですか?」

すると神様も落ち着きを取り戻したのかコホンッと咳払いをして話しはじめた。

『まずは先程までの無礼を許して欲しい。実はお主が死んだことは事実なのだがその魂はまだ輪廻に戻るには早すぎたのだ』

「つまりどういうことですか?」

『うむ、本来ならお主はあと90年程生きるはずだったのだがその前に死んでしまったため輪廻に戻すことが出来なかったのだ』……ふむ、確かに言われてみると死んだときの記憶はあるような無いような感じだった気がする。

『そこでじゃ、お主にチャンスを与えようと思う』

「チャンスですか?」

『そうじゃ、このまま輪廻に戻るとまた同じ人生を歩まなければならぬが、今のお主なら違う人生を選べるというわけじゃ』

…………それって普通に転生とか出来るってことじゃないのか?

「それは普通に異世界に行けるということでしょうか?」

『ほぅ察しが良いのう。そういうことじゃ、しかしタダでは行けんぞ?』

「お金とか持ってませんよ」

『金など要らんわ!!お主は今までの生活に不満があったんじゃろ?それを叶えてやると言ってるんじゃ』

…………あぁ、なるほど。だからさっきあんなことを言っていたのか。

「わかりました。行きます!」

『よし!ならば行くがよい!!そして新しい人生を楽しむといい!』

「はい!!」

こうして中弓浩二は新しい世界へと旅立った。

……ん?そういえば名前を教えていないような気がするがまあいいか。

神様が言うには次の世界での名前は自分で決めるらしいからな。

それにしてもどんな世界にいけるのだろうか楽しみだ。

ーーーーーーーーーーーー

『これで良かったのかな……』

新たな人生を歩むことになった少年を見送った後神様は呟いた。

『まさかあの子が本当に死んでしまうとは……』

彼の死は本来であればもう少し先のはずだった。

だが、運命というものはとても残酷なもので、彼は事故に遭ってしまう。

それもただの交通事故ではないトラックに轢かれて即死である。

いくら神とはいえ未来を変えることは出来ない。

それが例えどんなことでも……。

そのため彼を助けることは出来なかったのだ。

『でもこれは仕方がないことだよね……』

そう自分に言い聞かせるようにして納得させようとするが、やはり割り切れない気持ちがあるようだ。

神様として一人の人間を贔屓することは許されない。

だがそれでも自分のミスで命を奪ってしまったという事実は消えない。

だからこそせめてもの償いとばかりに彼にチャンスを与えたのだろう。

『今度は幸せになれるといいね……』

そう言って神様は自分の仕事に戻っていった。




こんにちは、作者です。

久しぶりに筆をとったので大分、物語を書く能力が落ちてますが

生暖かい目で見守っていただけると幸いです。

※作者はのじゃろりッ娘が好きなので文中に出てきた神様は

 白髪を被った女の子です。誰が何といっても女の子です。

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