復讐を誓う男1
寝る人育つ
復讐を誓う男1
俺は復讐
俺は復讐
俺は復讐
なぜこんな事になったのだろう。こんなはずじゃ無かった……
「ほら育人、嫌いな物でもちゃんと食べなさい。」
「むー、いやなの! ぴーまんきらい!」
そんなときパパが僕の肩はチョコンチョコンと叩き、ママに聞こえない様に
「ほら一個食べるならママに内緒でパパが食べてやるぞー」
僕は嬉しくて大きな声で
「ほんと!ぱぱだーいすき。」
その声を聞きママは何を話しているのか察知し、パパの頭を軽く叩いていた
………………………………
「おにいちゃん。」
「ん?」
誰かに呼ばれた、いや分かっている。読んだのは僕の
「どうあいたの。」
「えへへ、おにいちゃんってよびたかっただけ〜おにいちゃん!」
(か、かわいい。てんしがいる)
そして僕は
「だいしゅき。」
と抱きついた、そのとき当の
「わた、わたちもおにいちゃんのことすきー」
と言ってくれた
「あらあら、仲良しでちゅねーほら〜二人ともママの所においで〜」
「ん、いまはおにいちゃんがいい。」
「しゅき。」
俺は誰がどう見てみシスコンだったのだろう。
………………………………
何もかもが順風満帆だった、家は少し貧乏だったけど。家もあったし、ご飯だって毎日お腹が満腹まで食べて、お菓子だって買ってもらえていた。
毎日が楽しいで一杯だった。そんなある日
ドンッッッ
時刻は夜の2時、深夜と呼ばれる時間帯。
僕が寝ていると下から物音がした。その大きな、音により僕は起きてしまった。
僕は何が起こるのか気になったが、我慢をして隣を見た。
「よかった、まだねてる。」
僕は妹と二人で寝ているの
(おこさないように、ゆっくりあけてみにいこっと)
僕は好奇心に負けて、音の発生源である一階を見にいくことにした
今思えばここが運命の分岐点だったのだろう。
この場で残り妹に抱きつきながら寝るか。
妹を起こして一緒に下に行くか。
どちらでもない選択をとった。
妹を残して、下に向かってしまった
いや、向かってしまった
……………………………
「死ねッッ死ねッッ死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。」
僕が階段で下に降りていると、ふとそんな声が聴こえてきた。正直腰が抜けそうなくらい怖かった。でも聞こえてくる場所は…
(ぱぱとままがねているとこだ)
だから、恐怖心を閉じ込めそーと扉を開けると
知らない男の人が一番始めに、僕の目に映った
そして次に写ったのが……………
ぱぱのお腹の中が血で一杯で、よくわからない物が色々出ていた。
キィィィ
あまりに恐ろしく怖かったせいか、あるいわ理解が出来ない事が目の前に広がっていた事か、僕は誤って扉を少し押してしまったようだ
「あ"あ"。」
扉が開いた事で部屋の中が完全に見えた。否見えてしまった
そこには、ままと知らない男が裸になっていたのだ
「キャアアアアアア、嫌やめてやめて。こっちに来ないで。」
扉が開いたと共にままの声が部屋の中に響いた
ままをベッドに押し倒しその男が今にもままを襲おうとしていた。
「な、なに。こんなしらない、こわいよぱぱ、まま。」
「何だよ見つかったか。今からお楽しみだったのによ〜キヒ、キヒヒヒヒヒヒ。」
僕は恐怖と混乱でその場で座り込んでしまった
幸いか玄関の扉は空いていた。多分あの男がそのまま入り、扉を閉めなかったのだろう
「おやーー逃げるんですか〜お楽しみは最後にして、先ずは楽しい楽しい鬼ごっこでもしましょうか。」
「だめ、育人逃げて!私がこいつを抑えておくから。」
ままのいつにもまして強い言葉に、僕は一瞬躊躇ってしまった。
「このクソアマがーーじゃまするんじゃねーよ。」
そう言いながらその男はままを殴り始めた。ままは口から血を吐き涙を流した。それでも必死にその男にしがみつき
「逃げて逃げて、お願いだから逃げて育人。」
ままのその叫び声で僕はようやくその場から逃げていた
逃げるころには何も考えられなかった。頭が真っ白になり、ただただ走っていた
足が疲れ体力も底が付きかけていた。でも僕は走った
坂を登りきったとき、プツンと糸が切れたように体から力が抜け、僕は転んでしまった。転んだ場所が悪かった
僕は呆気なく抵抗も出来ずにその坂を転がってしまった
そしてその坂の先にあるのは川だ
「あ」
ザブンッッッッ
そこからは苦しくて苦しくて。怖くて悔しくて、混乱して。そんな負の感情が僕の頭の中で一杯だった
そして気が付いた時には僕はベットで寝ていた。
(夢?)
そんな訳がない、目を開けた時に写ったのは知らない天井。物凄く豪華だった
そして次に襲ってきたのが激痛だった
それもそうだろう、下り坂をなんの抵抗もなく転がり、川で溺れたのだから
普通なら激痛ですんでよかった。生きていてよかった。
そう普通なら。
僕は訳が分からなかった。なんでこんな事に
「あ、あう。」
上手く声が出ない
(ハッ妹は、僕はの妹!!)
「あうあうあうあう。」
僕は必死に声を出した、全身が痛くてそして体を動かそうにも、余りの痛さで体が動かなかった
「やっと起きたのですね。」
綺麗な透き通った声が聞こえた
…………………………………
「落ち着かれましたか。」
僕は声も出ない。体も動かない。だから瞼を一回開け締めをした
「そうですか。」
「あなた酷い怪我だったんですよ。傷だらけで医師に見せれば全身骨折。ってすみません、混乱なさってますよね。ここは私の家、貴方が岸で倒れている所を運んできました。」
申し訳ないとおもいつつも、正直余り頭に入らなかった。だってなにが起きたか全く理解できなかったから、ぱぱは死んでいた。ままは僕を逃がす為に体を張ってあの男を捕まえていた。
じゃあ妹は妹は何処
無事なんだろうか。妹は………
なんで僕はあの時妹を連れて………それより妹と一緒に確認していたら。妹も今ここで生きていたかもしれない
でも死んでいるだろう。妹はあの男に殺されているだろう。
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
なんで僕達がこんな目に合わないと行けないの。
僕何も悪いことしてないのに
そう思うと涙が止まらなくなってしまった
「うーうーうー」
「だ、大丈……夫じゃないですよね。私には何があったかわ知りません。でもきっと辛かったのでしょう。」
目の前の女性はあわあわしながら、僕を慰めてくれた
…………………………………
「夢、か。ここ最近ずっとこの夢だ。奴への憎き感情を忘れない為にはいいのかもしれないな…………」
「讐殺様またあの夢を………」
「ああ。」
僕………俺はあの日を境に復讐を誓った。そして育人の名を捨て讐殺………
運がいいのか僕が川から奇跡的に上陸した。岸で拾ってくれた女性が綾野さんだった。そして綾野さんはなんと国の……日本の工作員と呼ばれる存在。
その中でも殺しをメインにした人だった。
初めは驚いた。だけどチャンスとも思った。
最初は綾野さん……僕を拾ってくれた命の恩人は
「そんな物になるんじゃない。君はまだ若いのだから。」
と断っていたが僕は何が何でも
そして僕の余りの熱意に綾野さんは折れて
「はあ、一応上層部に聞いてみる。」
といってくれた。
今思えば。ありえない事だ、こんな子供の言う事を真面目に聞くなど……
許可が下ったのは翌日のことだった
そこからはおよそ地獄と思われる
「本当はしてほしく無い。それでもって言うなら
と、言われた
そして今日は学校に通う日だった。僕は高校に行くにあたり一人暮らしをすることにした。
だが綾野さんは止め、最終敵に己の部下を側に置くのならいい、と許可をくれた
「行くか…………」
……………………………………
「おはよ、讐殺。」
「明おはよう。」
こいつは明、
その過程で明の眼の前で人を殺すなど、一度や二度ではない。
実をいうと、幾ら綾野さんの約束でも義務教育である中学を卒業したのに、高校にいかないと行けないのか?と抗議したことがある。そうすると明の護衛として行け、と言われたのだ
高校レベルの勉強など全て覚えているのにだ
「元気無いな〜」
「誰のせいだ。」
「ハハ。」
「ハハ、じゃねーよ。は〜俺何をやってるんだ?俺は奴を。」
「あ、うん。そうだな…それを言われると弱いな……」
「す、すまん。」
「いんや、いいよ。」
「ありがとう。それで明、今日一人で家に帰れるか?買い物があるからちょっと無理っぽい。いや一人で帰れないなら一旦家までは送り届けるけど、さ。」
「別にいいよ。てか迎えくるしな。」
………………………………………………
放課後になった。俺は嘘をついていた
当然そんな嘘明にはお見通しだろう。今日は俺の……僕の家族の命日なんだから。僕は幼く何処の県に何処の街に住んでいたか、前の名字のような一部の記憶が欠けているのだ。当然今の技術を使えば簡単に割り出せるだろう。だが…………俺は
そして綾野さんから仮の墓を用意してくれた。写真と言う名の墓を…………
だから綾野さんの名字である綾小路を借りている。そして名前は覚えていた、だがこの名前で
そしてたった一日。一年でたったの一日だけ俺は僕になり僕の弱みをさらけ出すのだ。
ぱぱ、ママ、そしてなにより
「どうして僕だけ生き残ったの、どうせなら僕も一緒に死にたかった。あい、たいよ。」
僕はひとしきり泣いた。泣いて泣いて泣いて泣いて泣き続けた。
そしてめが枯れるんじゃないか、と言うくらい泣いてようやく一段落したときだ
「あれ綾小路君?どうしたんですか?こんな時間にこんな所で。」
「清水さん?」
「はいそうです。」
「君には関係無いことだ。ほっといて。」
「関係無くはないと思いますよ?クラスメイトがこんな時間に一人で公園だなんて…………。」
「いいんだよ。」
「いやだって……。」
「ほっといてくれ。」
「そうにも行きません。よく見ればめもとが真っ赤ですよ、泣いていたのですか?何か悲しいことがあったのですか?」
「関係無いことだ。ぼ……俺に話しかけないでくれ。邪魔だ。」
少し強く言い過ぎたかもしれない、でもそれくらいが丁度いい。僕とか変わるとろくでもないことにしかならない。不幸になってしまう
無関係な人をまきこみたくない
「ぼ………俺はもう行くよ。あ、いい忘れてたもう関わらないで、俺は君みたいなブスとは関わりたくないから。」
僕は酷く冷静にそう言い放った。勿論清水さんはブスなんかではない、むしろその逆美少女だ。清水さんは僕の通う高校では学校一の美少女なんて呼ばれている。とうぜん綺麗だ
ブスとは正反対な存在だ。でも今はそれが一番良い。僕に関わらない方がいいから
僕は清水さんにそう言うと、公園を後にし家に帰っていった
(ブスは流石に言い過ぎたかも………でもあれでいいんだよね)
復讐を誓う男1 寝る人育つ @hiiraginokinositani
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