第5話 新築の家

 結婚して、家を建てました。


 まるでさいころのような形の、小さな家です。


 近くに墓地がありますが、たいして気に留めませんでした。


 ある晩、二階から降りようとして階段から下を見たところ、一階の廊下に黒い影が動いているではありませんか。


 何だろうとよく見てみると、赤ん坊がはいはいしています。


 おかしい。


 わが家にはその時、赤ん坊はいませんでした。


 もう一度、よく見ようとしたら。


 赤ん坊は消えていました。


 これは幻覚だと思いたいです。


 ちんみに、墓地の近くには「霊道」が通じていることがあり、いろいろな霊がそこを通っていくのだとか。


 もしかしたら、わが家も霊の通り道がかかっているのかも知れません。

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