第65話 汚ねぇクソ豚どもがぁ! その2
前回のあらすじ
威張り散らしていた5匹の豚の内、2匹が横領していた証拠が出て来て、勇者園野の手によって倒された。
頑張れ勇者園野!
敵は後3匹だ!
とか変な脳内ナレーションをしたのはいいものの、多分あれ以上酷いものはないだろう。
それにそろそろ飽きて来たんだけど……
そんな訳で、俺達と運営のお偉いさん達の話し合いが始まってから既に2時間が経っており、それも内容がワケワカメなので、俺は本当に話し合いが始まってからずっと偉そうに、椅子に座っているだけなので、本当に暇で暇で死にそうになっていた。
それに多分だけど、九重ホムラの権利の話って相当前に終わってるよね?
ここ1時間半ぐらい九重ホムラのこの字も聞いてないよ?
俺ここにいる意味ある?
もしかしてよく会社とかでやってる、会議とかもこんな感じで殆どよく分からん話し合いで、一部の人達だけが話し合いで盛り上がって、その他の人はうんうんってよく分かってもないのに頷くだけなのかな?
って流石にそれは無いか!
そんなこんなありその後1時間ほどで俺達の話し合いは終了した。
◯
そうして話し合いの終わった俺と園野さんは、帰りに話し合いお疲れ様回という事で、高い個室の焼肉店へとやって来た。
「それで園野さん。結局あの話し合いってどうなったんですか?」
個室に入って早々なくを大量注文して、店員さんが個室を出た後に、俺はずっと気になっていた事を質問した。
それを聞いた園野さんは難しそうな表情をしながら話し始めた。
「ホムラさんまず例の作戦は成功しました。」
「おお!」
そう言って園野さんから渡された資料には、権利関係云々を俺に譲渡するという契約が書かれており、それに署名捺印が押されているので、この時を持って九重ホムラの権利は俺のものになった。
のだが
「あれ?これって確かお金で買うんじゃなかったでしたっけ?」
元々今回の話し合いは、俺たちが運営に権利ちょーだい!いいよ!って言ってもらうだけの話で、後日入金と共に権利を買い取るという話だったのだが、何で今ここに九重ホムラあげる〜っていう契約書があるんだ?
その事を園野さんに聞いた所、全力で話を逸らされたのを見て、俺は社会の闇の部分を見ていた様な気がして来た。
覚えてないけど……
まぁでもその辺りは俺にとってはどうでもいい事なので放置する事にした。
そんな話をしているとお肉が届いたので、俺が両手にトングを持って最速最適に肉を網の上に配置していると、園野さんが大きく溜息をついて話し始めた。
「そして次なんですが……まだ未定ですが、多分ユメノミライは独立します。」
「へぇー独立ね。…………独立!?え?どういう事?」
何でもうちの運営会社は横領以外にも結構アウトな事をやっていたらしく、元々vtuber部門は独立する計画も出ていたのだが、とは言えまだvtuberは出て来てから4・5年程しか経っていない為、今後の見通しが取れなかったので、その計画は頓挫したらしいのだが、今回の俺の件で園野さん率いるチームが、交渉を有利にする為にと、本社の方を調べた所やばい情報がゴロゴロ出て来たらしく、それでこれ以上本社と一緒にいると自分達諸共共倒れになると思い、ユメノミライと言うよりかはvtuber部門が独立する事にしたらしい。
「へ、へぇーそうだったんだー(棒」
や、やべぇ!
そらあんなに話し合いが長かったのも納得だよ!
それに多分だけど俺個人が会社を抜けるのは簡単だとは思うけど、一部門丸々1つ会社から抜けるのはそんなに簡単な事じゃ無いと思うし、これからの園野さん達の心労を考えると……
「よ、よし!ほら園野さん!お肉食べて食べて!これから大変だと思うから、肉食って大量付けよう!」
「……そうですね」
俺は完全に死んだ目になっている園野さんのお皿に、焼き上がった肉を入れに入れまくった。
その後もどうにか園野さんの機嫌をとりながら、その日は解散となった。
◯
そしてそれから約1ヶ月後
俺はユメノミライを脱退した。
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