第59話 エンドラハードコア その2

自己紹介も終わり、俺達3人はマイクラフトの世界へとやって来た。


最初に俺たちがスポーンした場所は周りに数本の木が生えており、周りには豚や牛などの動物が住んでいる平らな大地、そう平原バイオームにスポーンしていた。


「ふーん最初は平原スポーンか、これって幸先はいいの?ウィルシスちゃん」

「村が周りにあったらカンペキデス。でも無くてPlainsあ、平原はアタリの方デス。」

「ぷっ、よかったなハジメ日本語訳してもらってw」

「あーもう、うっさい!うっさい!それにさっきのは文の流れで何となく意味はわかるからな!お、広い洞窟見っけ」

「さいですか、それで俺エンドラハードコアつまて初めてなんだけど、コレってまず何をやればいいの?普通にプレイするだけでいいのか?」


俺は周りに生えている樹を素手で殴りながらウィルシスさんに質問した。


「そうデスね。今回はタイムアタックでも無いので、安全最優先で最初は食料とベッドにツールの調達が大事デス!」

「なら俺は皆んなの食料集めのついでに、羊が居たら狩ってくることにするよ」

「ok.でしたら私は装備を整えておきマスね」

「あ、ヤベ」


俺とウィルシスさんの2人で今後の方針を軽く話していると、1人で勝手にどこかへ行っていたハジメが一言そう言った瞬間、画面の左下にハジメが某匠に爆殺されたとゲームログが出て来た。


「はぁ……ハジメお前な、まだゲーム初めて5分も経ってないんだぞ?」

「そうデスよ!ハジメ先輩」


コメント

:死ぬの早すぎだろw

:はぁーつっかえ

:lol

:あれ?ハジメってゲーム下手だっけ?

:死ぬならせめてもうちょい後にしろよ


ハジメは開始早々1人で突っ走った結果、特別面白い死に方でも無い雑魚死を晒しただけで、配信としてもゲームとしても何の旨みのない行動をとったおかげで、俺のチャンネルではボロクソに非難されていた。


「ホムラ様restartしマスか?」

「だな、ハジメもし次死ぬ時があったらせめて面白い死に方してくれよ?」

「誰も死にたくて死んだわけじゃねぇよ!……けどまぁ善処するわ」


という事で俺達3人は再度新しい世界を作って再開した。


そうして今回は俺が食料と3人分のベッドの調達、ハジメとウィルシスさんの2人で3人分の鉄装備用の鉄集めを開始した。


食料班である俺は敵との接敵がない為特別危険な目に遭う事はなく順調に豚肉や牛肉などを集めていって、採掘班は昼の地下という事で、敵のスポーンが地下に固まっているせいで何度か危険に陥りそうになりながらも、鉄を集めていった。


そんな感じで順調に見える俺達だったが、俺の方では少し問題が発生していた。


それが……


「やべー全然羊が居ねえ」

「そんなに居ないのか?」

「いや本当マッジで居ない、結構離れたところまで探しに行ったけど、1匹もおらんかったぞ」

「それはヤバイデスね」

「何でこんなに居ないんだよ!」


そんなこんなで日が落ちる頃まで探したのだが、結局あれから見つかった羊の数は2匹だけで、ベッド1つ作ることすらできぬまま夜を迎えてしまった。


日が落ち切る前に2人と合流していた俺は、焼いた肉をウィルシスさんに生の肉をハジメに配った。


「はいこれウィルシスさんの分の食料ね。それとこれがハジメのエサだぞ」

「エサって何だよエサって、まぁありがたくもらうけどさ。……ってこれ生肉じゃねぇか!」

「あっれー?おかしいな?確かハジメ分はよくお前がネタにする俺から出てる炎で焼いたはずなんだけどな?燃えてなかったか?」

「あーなるほど。いやーごめんごめんよく見たらしっかりと焼けてたわ。」

「だろ?」

「ならこれホムラの分の鉄な」


そう言ってハジメはさっきの仕返しと言わんばかりに、製錬されていない鉄鉱石を渡してきた。


「ありがとうハジメ!」

「どういたしまして!」

「……じゃねぇよ!ボケが!」

「はぁ?テメェが最初にやってきた事だろうが!文句言うな!」

「何だと?」

「やんのか?」

「お二人とも口は動かしてていいので、作業はしてください」

「「あ、はい」」


夜の間は外に出るは危ないという事で、ネザーに向かうために、黒曜石を取る為のダイヤモンドピッケルを作るために、ダイヤを地下で探していたのだが、まぁ驚くほどにダイヤは見つからず、尚且つずっと地下を掘っている為配信画面が変わり映えしない為、俺とハジメはいきなりクソつまらない三問芝居をし始めたわけだ。


ちなみにその後1人真面目に作業をしていたウィルシスさんが、1人でダイヤモンドをピッケルに必要な分を確保してくれた。


そうして再集合した俺たちはネザーへと出発する事になったのだが、ここからが本当の地獄だった。


まず今回だがネザーに入った瞬間ゲートが生成された場所が、溶岩の海の真上で勢いよくネザーゲートに突っ込んだ俺達3人は、そのままの勢いのまま溶岩の海にダイブして無事3人とも死亡。


次はネザー要塞を探している最中に俺が間違って豚畜生を殴ったせいで、そのまま袋叩きにあいたまたま俺の近くに居たハジメもそれに巻き込まれる形で死亡してリセット。


次は通常世界で渓谷に足を滑らせたハジメが1人死亡でリセット。


その次は……


そんな感じで俺達は何度も何度も死んではリセット、死んでリセットを繰り返した結果、総リセット回数は二桁を回り、配信時間もすでに開始してから5時間は経過していた。


「なぁ、2人に相談があるんだけどいいか?」

「どうした?」

「What's happen?」

「今回でラストにしない?正直この後何回やってもクリア出来る気しないんだけど……」

「おいおいホムラそんな弱気でどうする?配信者だろ?勿論俺はホムラのその意見には賛成だけどな」

「私もそれでイイデス」

 

そうして始まった俺達のラストアタックは、1人また1人と仲間が死んでいく中進んで行った。


「oh!sorry」

「いや大丈夫だウィルシスさん」

「まさか俺達の中でも最強なウィルシスちゃんが先に逝くとはな……」


最初に死んだのは今までで殆ど死んでいなかったウィルシスさんが、足を滑らせてそのままマグマに落ちてアイテム諸共焼け死んだ。


「くっ俺もここまでか……」

「ホムラ!おいおい嘘だろ?」

「後は頼んだぞ……」

「ホムラァ!」


次はネザー要塞に着いた俺達が、エンドラゴンが存在している世界に行くために必要な素材を集めているときに、その素材を落とす敵とその他の敵に集団リンチされた俺は、なす術なく一方的にボコられて無事死亡した。


だがそこからのハジメは凄かった。


覚醒したハジメは俺を一方的にリンチした敵に果敢に1人で突っ込むと、まさかの無傷でその敵を殲滅し、そのおかげでちょうど素材が必要数集まった為、通常世界に戻りそのままの足で、1人でエンドラゴンのいる世界エンドに向かい、圧倒的神技の数々で1人でエンドラを倒してしまった!




なんて事はなく、通常世界にネザーゲートを通って帰った先にちょうど良く某匠がおり、そのことに気がついていなかったハジメは自分の足で、匠の元へと行くと大絶叫と共に汚ねぇ花火となって散った。


「うあぁぁぁぁ!!!!せめてエンドには行きたかったぁ!何でそんなちょうどいいところにいんだよ!このクソ緑ぃ!」

「草」

「草じゃねぇ!」

「でもオチとして最高デスよ」

「よかったなハジメ、最後に面白い死に方できてw」

「よくねぇよ!」


コメント

:草

:最初と最後がハジメの爆死とかw

:クソワロタ

:www

:面白かった

:またコラボしろ!

:次はクリア出来たらいいね


そんなこんなで俺達の初コラボは残念ながらクリアは出来なかったものの、配信自体は成功でしめる事ができた。


ちなみに今後も何度かこの3人でエンドラハードコアコラボをした結果、第5回目でようやく初のクリアする事に成功した。


まぁ途中でハジメが死んだので、完全成功かは何とも言えない感じだったが……

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