第4話 二階堂ハジメとの出会い
コラボの打診が来てから数日後、そろそろ現実を受け入れ掛けている頃それは突如として来た。
またしてもスマホに通知が来る。
今回はコラボの件だからマネージャーだと思い、何の迷いもなくスマホの画面を見るとそこには二階堂 ハジメと書かれたアイコンがあった。
「は?」
変な声が出てしまった。
だが考えて欲しいもし自分が進んでいる道の先そう、レジェンドと言われる人が急に自分のスマホに連絡を取って来たと考えて欲しい。
な?こんな声も出るだろ?
だから真冬よ扉の隙間から変なモノを見る様な目線をやめてくれ。
お兄ちゃん泣いちゃうよ?いいの?
そんな事を考えながらゆっくりとディスコードを開くと。
『初めまして俺はアンダーライブの二階堂 ハジメ。気軽にハジメって呼んでくれよな!』
うわわわわわぁ!生ハジメだ!ヤッバ!えっどうしよ何返せばいいかな?俺も気軽にホムラって呼んでもらうか?いや流石に失礼すぎるかな?
それから5分ほど書いては消し書いては消しを繰り返してようやく書けた文を震える指で送った。
『ご丁寧にありがとうございます。私はユメノミライ所属ライバーの九重 ホムラと申します。この度はこんな私にコラボのお誘いをして頂き誠に感謝しております。ハジメ様につかれましては私の事はホムラでも九重でも何とお呼びしていただいても構いません。不束な私ですが今回のコラボはハジメ様の顔に泥を塗らぬ様に必ず成功させたいと思っていますのでどうぞよろしくお願いします。』
完璧だ!
それと同時に二階堂 ハジメから返信が来た。
『よろしくなホムラ!それとちょっと硬すぎるぞ。様付けとかもこそばゆいだけだしもっとフランクに行こうぜ!』
そんなに硬すぎるか?
『わかりました。ハジメさん』
『まぁまだ硬いけどそれは徐々に慣らしていけばいいかな?』
まだ硬いのか……だが流石にこれ以上はフランクというよりも無礼に当たるのでは?
『それでコラボ内容なんだけど俺がやってる1対1の対談会なんだけどどうかな?』
『もしかしてそれってハジメの部屋ですか?』
『そうそう知ってるんだ。もしかしてホムラって俺のファンだったり?』
『勿論です。でもどちらかと言うとファンというよりも憧れの存在です。』
『そうかそれは嬉しい事言ってくれるな!なら配信の段取りとかは何となくわかるか?』
『ああそりゃあ勿論』
『了解なら一応簡単な台本は後で渡しとくから。それじゃあ明後日の配信お互い頑張ろうな!ホムラ』
『こちらこそよろしくなハジメ』
こうしてハジメとのコラボ配信の話し合いは終わった。
そして頭が冷えてからこのやり取りを見返すと途中から素の自分になっていることがわかり、恥ずかしさやら申し訳なさでいっぱいいっぱいになり。
その気持ちを誤魔化す様にゲリラで配信を始めた。
案の定人が集まらずビックリするほどの過疎配信になり、アーカイブはそっと非公開にしておいた。
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