第3話 まさかまさかのコラボ決定!?

家族会議も終わり少しげんなりとしながら部屋に戻ると仕事用のスマホに通知が来ていた。

昔はよく鳴っていたスマホも最近ではマネージャーからの連絡ぐらいしかなく、特に何かをやらかした覚えが無いので誰からか分からずスマホの画面を覗くと、やはりと言うか何と言うかマネージャーからの連絡だった。


だがほぼほぼ運営から放置気味な俺のところにマネージャーからの連絡がある時は大抵俺が大炎上した時だけで、今日の様なボヤ程度ならいちいち連絡が来ないはずだ。


なのでもしかすると俺の認知していないところで大炎上したのかと思うと、スゥーっと額から汗が流れる。


震える指でスマホのロックを解除してマネージャーからの連絡内容を確認するとそこには想像もしてないことが書かれていた。


『九重ホムラさん現在あなたに他事務所からのコラボの打診が来ています。ご確認いただけましたらこちらにご連絡ください。そこでこの件について話し合いましょう。』


正直意味がわからなかった。


それもそうだ俺のところに来るコラボの打診などほとんどがユメノミライの名前に肖りたいだけの登録者が一桁のよく分からない連中だけだったからだ。それに今の俺はもはや歩く爆薬庫である。そんな俺とコラボした相手にどれだけのメリットがあるか、いや圧倒的にデメリットの方が大きい。それはどんなに小さな企業であってもだ。


そんな事をうじうじと考えながらもマネージャーに拝見しました。と一報送ったところすぐに通話が掛けられた。


すぐに通話に出るとそこからは40代ほどの男性の声が聞こえた。その声を聞いた瞬間またかと思ってしまった。


元々俺のマネージャーは同期と同様に1人の女性が担当していたが、とある事件が起こってからはすぐにマネージャーが交代し、それからと言うモノ何度も当たり前のようにこちらには何の連絡も無くマネージャーが代わり、正直殆どのマネージャーの名前を俺は知らない。

そんな風に俺が考え事をしているとスマホから心配そうな声が聞こえた。


「返事がありませんが九重ホムラさん大丈夫ですか?」


それを聞いて俺の意識は思考をやめ会話へと移った。


「すみません。少し考え事をしていました。それで早速なのですが俺に来たコラボの詳細を聞いてもよろしいですか?」

「はい。大丈夫ですよ」


マネージャーがそう言うとスマホの奥から何か紙を動かす音が聞こえた後にコラボの詳細を話し始めた。


そしてその内容を聞いてまたしても呆けてしまった。


俺にコラボを打診して来たvtuberはユメノミライと同等、いやそれ以上にvtuber界隈に影響力を持つ事務所アンダーライブの一期生にして男性ライバーの頂点と言ってもいいほどの男、二階堂 ハジメだったからだ。


正直全く信じられ無かった俺は話し合いにも集中出来ずに、合間合間にマネージャーに何度も確認してしまった。マネージャーには悪い事をしたとは思うがそれでも信じられない様な相手なのだから許してほしい。


まぁそんな感じで殆ど話し合いにならなかったが何と久しぶりのコラボが決まってしまった。

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