Episode.10


 「…てか寺田さん」



「・・・」



「あ゛?なんだよ」



 「案外、結構歌えてましたね!」



「そっかぁ?」


 「いやぁ、寺田さんに『アカペラ』って。。ちょっと

  ハードル高過ぎたかなぁって思ってたんすけど」


 「何気に寺田さん、歌上手いし」


 「『敬老の日』以外のアピールポイント、

  あるやーん!って思っちゃいました 笑」


「・・・」


 「まぁでも、あくまで今日は

  体験会みたいなもんなんで」


 「これで寺田さん、多少は気持ちも

  20代に戻れたんじゃないっすか?」



「・・・」


 「…て」


 「あんま返事を返せないくらい、

  実は結構パワー使ってたとか? 笑」



「…まぁ、そうかもな」



 「…てか思ったんすけどぉ」



 「何気に俺たちのエピソードって、

  ぞんざいに扱われてる感じ、しません?」



「お前と一緒にすんなって」


 「え?」



「…お前の出番、これで終わりかもな 笑」


 「げっ!?Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」


「…寺田さんのほうから、どうにかお願いして」



「どこに何をお願いすんだよ! 笑」

 「それは!…えっと…そのぉ」


      すたすたすた…



                    ガザゴソ…



           「何卒よろしくお願いします」


「まさかのお地蔵様 笑」


               「エビアンですが…」


「そしてフレンチアルプスの水で清める 笑」




       すたすたすた…


 「よし、やれるだけの事はやった…(;・∀・)」




「…なぁ川口ぃ」


 「ん?なんすか?」


「俺、あそこ入るわ」


 「げっ!?Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」


「なんだよぉ、そんなに意外か?」


 「いや、当初の俺の予定としては、寺田さんが

 「あんなんよう分からん!」ってなって」


 「奢りで飲みに連れてって貰うって流れだったんで」



 「でも寺田さん、「休日は休むもんだ」って

  言ってたじゃないっすかぁ」


「休みは土日あんだからよぉ、

 どっちか休めば充分だろう」



「川口はどうする?」


 「え!?俺っすか?」


 「…半分ギャグで来たようなもんなんで」


 「アカペラそれ自体にはそれほど興味が…」


「そっかぁ」

「お前の出番、増えるかもしんな

 「入ります!( ̄ー+ ̄)キラリ」



 「いやぁもうあそこ入った瞬間、

 『俺の居場所はここだ!』って思いました!」


「そっか」

「んじゃ俺の分も、入会の手続きしといてくれよ」


 「(`Д´)ゞラジャー!!」


「でも、そのくだりも端折られると思うけどな 苦笑」


 「ぐっ(;´∀`)」


             タタタタ…



                  ピッ




                ゴトゴトッ



「また行った 笑」

                  タタタタ…



             「ヴォルビックですが…」




         「何卒よろしくお願いします!!」


「そして今度はオーヴェルニュ地方 笑」


       すたすたすた…



「お前のその頑張り、通じるといいな」


 「うわっ、ちょー他人事!Σ(´∀`;)」



「まぁ今日は奢れるほど持ってねぇし」


「でも立ち食い蕎麦くらいなら奢ってやる」


 「えー!?何その安上がりぃ」



「お前、『立ち食い蕎麦』ナメてんだろ」


「美味すぎてお前、腰抜かすかもな 笑」


 「だからその言動が46なんだって…」



「あ゛?なんか言ったか?」


 「いえいえ!」


       「んじゃこっちな」


   「あ、いっこいいっすか?」


             「あ゛?」


           「この後のくだりも…」



         「…まぁ端折られるだろうな 笑」


                「やっぱり…」



「でも、そんなん気にならないくらい、うめーから!」



         「もう1度、お地蔵さまに…」





           「おーい!置いてくぞ!!」




               「あ、はーい!」

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