Episode.7


                       ピッ




                    ゴトゴトッ



       「寺田さん!」




「お~川口、どした?珍しい」


「お前いっつも向こうじゃなかったか?」


 シュコッ

 「川口凌、『禁煙、はじめました』( ̄ー+ ̄)キラリ」


「できんのかぁ!?お前 笑」

「ヘビースモーカーだろ」


「こないだの健診で引っかかったとか?」


 「いや、こないだの健診では…

 『隠れ肥満』ってのが判明しましたが 苦笑」


 「それ以外は全然健康なんで!」


「ん?」

「じゃあなんでやめんだ?」


 「また10月に値上がりするんすよぉ」


「へぇ、そうなんだ」


「いくらになんの?」


 「470円」



「たかっ!Σ(´∀`;)」


「牛丼、大盛りで食えるやん、それ」


「でもアレか、お前『洋モク』派だもんな」


 「『洋モク』て 笑」



        しーん…



 「あそっか 笑」


 「でも寺田さんは、

  フィルターのない短いやつっすよね!」


「そうそう、あの両切りの、やっすーいやつな…って」

「爺さんじゃないっちゅうねん!」


 「このくだり、ホントいりますかぁ? 苦笑」


「俺の唯一のアピールポイントなんだぞ!

『敬老の日』は」


 「自己紹介のつかみとしては、

  全然ポイント高いと思うんすけどぉ」

 「こう『お約束』にしちゃうと、

  それこそ『親父ギャグ』的なくどさが…」


「あ゛?なんか言ったか?」


「いえいえ!」



「俺がお使い行かされてた頃、

 300円で高くなったって、

 親父ボヤいてたなぁ、そう言えば」


「そのうち500円とかになんじゃねぇか?」


 「もうその可能性も無きにしもあらずなので」

 「今のうちに禁煙しようかと!」


「なるへそぉ」


 「それにすっかり分煙が定着して」


 「喫煙所で吸ってても、いやぁ~な顔

  されるようになっちゃいましたからね」


「煙草ってのは、

 金払って不健康になるようなもんだからな」



「んでなんかあって話しかけたんだろ?」


「わざわざ休憩中に俺んとこ来るなんて」


 「やっぱりバレちゃいますよね 苦笑」



 「あのぉ…」



 「寺田さんって、来週の日曜って

  空いてたりしますぅ?」


「来週に限らず、いつの日曜も空いてんぞぉー! 笑」


 「どっか出かけたりとかしないんすか?」


「しねぇよ」

「休日ってのは休む為にあるんだ」



 「・・・」



「ん?なんだよ」


 「寺田さんっていくつでしたっけ…」


「24の年男」


 「寺田さん、学生の頃から

 『敬老の日』ネタにしてたでしょ」


「は?なんだよ、急に」


 「言動が…もうふた回りしてそうな

  イキフンたっぷりだし」


 「見た目も…



  じーっ



  30代言うても納得する人が出てくるくらい、

 『敬老の日』に侵食されちゃってるっすよ!」


「まぁ~、松沢さんに初対面の時、

 敬語使われたからな 苦笑」


 「松沢さんが敬語使いたくなる気持ち、

  分からなくもないっすもん 笑」



 「なので来週の日曜は、24歳らしさを

  寺田さんに取り戻してもらおうと思いまして 笑」


「なんだよ、それ 笑」


 「俺、もう戻んなくちゃいけないんで!」


 「詳細は当日までのお楽しみって事で!」


        「時間とかは後でメールします!」




「いっちまった 笑」






「…ふぅ」


「24歳らしさ、ねぇ」


ごくごく

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