Episode.4




「застежка-молния。」



        がやがや


                     「ん?」



 「出た、謎の津軽弁」


                     「?」


                    「なに?」

        「横山くんって、東北のひとなの?」


「いや、湘南」


                 「…しょうなん」


                  「ぷっ 嘲笑」

       がやがや

               「ちょっと、美波!」

    「そこで笑ったら、横山くんに失礼でしょ!」


        「だってチョー肌白いんだもん 笑」


              「ごめんね、横山くん」


「いや、もう慣れてるから」


                    「はは…」



 「フントぉ」


 「せっかくの親睦会なんだから、

  空気を重くすんなって」



 「こいつ、ゲームばっかしてて

  女に対する免疫力、全然ないんで」


「多少はあるわ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


                「多少なんだ 笑」


        がやがや



      「で、さっきの津軽弁てなんだったの?」

「いや、なんでもないなんでもない」

「軽いジョーク軽いジョーク」

                    「は?」


 「俺も最初会った時にこれ言われて、

 「は?」ってなったんだけど」


 「それが何だかは全然教えてくれないから、

 『謎の津軽弁』って事で放置してる 笑」


         「高橋くんも言われたんだ 笑」


 「知り合いになった人は漏れ無く」


                「そうなんだ 笑」


 「でもフントは…



  それ以外はフツーなんで 笑」


        がやがや


「なんでちょっと言い淀んでんねん!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」



                   「ふふ 笑」


                     「でも、


「お笑いコンビみたい」ってのはホントだったね 笑」


                  「だね 笑」


 「ん?お笑いコンビ?」


       「「よこやまぁ~フントくん!」って

 ネタやってんの、サークルの人が見てツボってたよ」


 「げっ」


 「あれ、サークルの人に見られたかぁ…」


         「なんか、ムッチャキレのある、

           『ふせ』してた言うてた 笑」


        がやがや


  「でもなんで急に、ウチのサークル入ったの?」

         「高橋くんは…まぁ分かるけど」


   「横山くんは、1番音楽から縁遠いイメージ」



       「横山くん、どんな音楽聞いてるの?」


「OWD72」

                     「あ」


                  「オタクだ」


       「じ、じゃあ、カラオケのオハコは?」


「『もみじおろしで食べないで』」

                  「ぷっ 失笑」


                「誰の曲?それ」


「『石橋叩板郎』」

        がやがや

 「知らね~ 笑」


          「高橋くんも知らないんだ!?」


 「うん」


 「だってフントとカラオケなんて行った事ないし」


         「やっぱイメージ通りじゃん 笑」


      「じゃあアカペラやろうと思ったのは…」


「フントの免疫力アップのため 笑」


                  「ほらー!」


             「だから言ったじゃん、

   メンドーなのとグループになっちゃったって」



                「…はぁ(。-_-。)」


 「露骨なため息 笑」

        がやがや

        「やっぱ他の人にしてもらおうよ」



      「一度決まっちゃったのは無理だって…」


 「そして本人達を前に、チェンジ要請会議 笑」



「(ΦωΦ)フフフ…」


              「なんか笑ってる…」


「まさ!カラオケ行くぞ!」


 「え」

                     「え?」


「この『横山フント』の、

 美声を聴かせる時がついに来たのだ!」



「(ΦωΦ)フフフ…」


        がやがや


 「んじゃここの会計、2人で割り勘すんぞ」



「え(;・∀・)」


               「あ、私達も払うよ」


 「大丈夫大丈夫」


 「男って、こういう時くらいしか

  役に立たないから 笑」


           「高橋くん、ちょー優しい♪」



「俺…今月ピンチでさぁ…」


 「お前のピンチじゃない月はいつだよ!」


「しょぼーん…」


 「自分でしょぼーん言うな!」



 「…はぁ」


 「どうせカラオケ代もないんだろ?」

       がやがや



「えっと…1曲くらいなら」


 「いつの時代だよ!」



 「…はぁ」



 「今日の割り勘分は、

 『奢り』じゃなくて『貸し』だかんな」


「さすが!まさ!」



                  「理美ぃ…」

       「先が不安しかなさ気なんだけど…」


「(ΦωΦ)フフフ…」


                    「…はぁ」

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