自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません
@tea_kaijyu
第1話 初めての王都
王都につながる長い長い行列の先にある門のところで、馬車に乗ったまま軽い審査を受けた後、ごつごつとした造りの門をくぐり抜けた先に初めて見る王都の街が広がっている。
僕は馬車からちょっと顔を出してその光景を眺めて、なんだか既視感がある光景に固まった。
「ソーマ、お行儀が悪いですよ」
母様が馬車の外をのぞく僕を抱き寄せて膝に乗せた。呆然としていた僕は抵抗する間もなく母様の膝の上に乗ってしまった。
「母様‥、ごめんなさい」
母様の膝はふわりとしていて温かい、でもちょっとはずかしくて、誤りながら母様の隣に座り直した。
向かいの席に座っていた兄様、ケニーがふふっと笑う。
「街の中の様子は、後でゆっくりと見られるからね」
「あ、はい。兄様」
兄様はケニー・エルストベルク 14歳。エルストベルク辺境伯家の長男で、身長は同年代の平均よりは少し高めで、筋肉質。
ブロンズ髪に翠の瞳をしたなかなかのイケメンだ。
俺は、ソーマ・エルストベルク。エルストベルク家の次男。8歳。
アッシュブロンドに、兄と似た翠の瞳。将来は兄みたいに背が高くなると良いなと思っている。
だけどさっき、短い焦げ茶色の髪をしていてやせた男の姿が頭に浮かんだ。身長は普通くらいかな。普通?何の普通だろう。
いや、身長とかは今はどうでもよくて。さっき見た王都の光景で、小さい頃から、夢で時々見ていたものと色々結びついた。
僕、転生しちゃってる?異世界?
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