死にたい子は死ねない子
赤目
呪われた子。#1
『呪い』この世で恐らく私だけが持っているもの。別に私に直接的な害は無い。その呪いの内容は私を見た人、私に触れた人、私と話した人は必ず吐き気やめまい、頭痛、腹痛、体の一部に激痛が走るなどの苦痛が与えられる。
もちろんこんな呪いにかかった子を親は捨てる。でも私の父はとても大きな権力者で国をも支える家庭だ。
そんな権力者が我が子を捨てたとなると大きな問題。だから大きな屋敷に年寄りの使用人1人を送り、閉じ込められていた。
「お嬢様、起床の時間ですよ」
「ええ、ありがとう」
そう言ってすぐさま使用人から離れる。同じ空気を吸って吐くだけでも、もの凄く体力を削られるらしい。
使用人の宮原はもう私が生まれてすぐから仕えてくれているので多少の耐性がついたらしい。それでも30分も一緒に話すとトイレに行き、吐いている。
「お嬢様今日から中学生ですね。制服をご用意しましょう」
「いいわ、自分でやる」
そう言って制服を着た。普通の女の子は新しい日々にワクワクしながら登校するのだろうが私は違う。
どれだけ人を避けて登校出来るかを考えながら登校している。でも私は人の視界に入りむやみやたらに人に苦痛を与えているわけでは無い。相手が私個人を意識しない限り呪いは降りかからないのだ。
学校に着きクラスを見る。20人一クラスのA組だった。クラスに入り席に座る。1時間目が始まった。
「はーい皆さん。これから一年間、担任をする小林です。一年間よろしくね。まずは自己紹介しましょうか」
20台後半の若い女性の先生が担任となった。
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…………その後も皆が続いて行く。
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自分の番がやってきた。出来るだけ前の人と同じ声の大きさ、長さで目立たぬよう。
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なんの変哲もないこの一文でも集中して聞いていたクラスの数人は「うぅっ」っとえずく。
「
この人は聞いてなかったらしい。このような感じで地獄の中学生生活が幕を開けた。
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