第4話 高校での初恋
そんなこんなで、私大附属高校に入学した僕だったが、一応彼女はいた。
彼女の名前は恭子。
中学時代に同じ塾で知り合った子で、偶然に近くの女子校に通っていた。
所詮は、高校生同士の付き合い。
学校帰りにコンビニでアイスを食べたり、マクドナルドやミスドで食事をする程度デートとちょっとしたメールのやり取りくらいの毎日だった。
夕方、毎日一緒に電車で帰る約束していたが、入学して4日くらいで、正直ちょっとめんどくさくなっていた。
そんな普通の彼女がいた僕だったが、実は入学式で、たまたま隣に座った同じクラスの女性に一目惚れをしていたのだった。
彼女の名前は瞳。
透き通るほど色が白く、おしゃれなボブカットの瞳ちゃんは、同じ15歳とは思えないほど、大人びていて、新しい制服を初日から着こなしてた。
慣れないネクタイを七五三のように無理矢理つけていた田舎の港町出身の僕とは対照で都会的な美人だった。
中学時代は同級生には、遠慮なく男女関係なく下ネタも言っていたタイプだったが、何故か初対面で敬語になってしまったことは今も覚えている。
入学式の後、最初のホームルーム。
男女一人ずつの学級委員を決めることになった。
中学時代、一度も生徒会長やクラス委員を任命されたことはなかったが、
担任から何故か自分が任命された。
おそらく出席番号の関係なのか、たまたま目に入ったからなのか、理由は定かではないが、突然の任命だった。
僕は激しく抗議をしたが、その抗議が覆ることはなかった。
僕がゴネればごねるほどに、担任もムキになったのを覚えている。
全く予期していなかった学級委員にされてしまい、僕はホームルームが終わっても放心状態だった。
地元の友達が一人もいないクラスで、クラス委員を押し付けられたて落ち込んでいる僕に、最初に声をかけてくれたのはだった。
瞳ちゃんは、「災難だったね。あんなにクラス委員を拒む人は初めて見たよ(笑)大変だと思うけど、何かあれば手伝うよ!」と明るく笑って言ってくれた。
単純な僕はそれだけで舞い上がり、元気が出たのを覚えている。
入学式での一目惚れ、入学当初に落ち込んだ時の優しさに、あっという間に惚れてしまった。
入学初日に、彼女がいるのに、簡単に惚れてしまうのは、我ながら情けない。
しかし、この後の1年間で、瞳ちゃんと僕に様々な出来事が起こることはこの時は全く予感していなかった。
そして、、
恭子との別れが訪れ、すぐに文化祭の準備を迎えるのであった。
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