焔の檻
西野ゆう
プロローグ
「やあ、おはよう」
山と田んぼに囲まれた田舎。
だが、
幸子が出てきたのは、空き家になっている野田邸だ。痛みが来ないように、近隣の住人でたまに風を通している。
「やれやれ」
辰虎は腰に手を当て、ひとつ嘆息すると農作業に戻った。
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