ユニバース30
また冬
第1話 始まりの始まり
「打ち方はじめっ!」
何度も銃声が響き渡る。皆の手に握りしめるのは、ハンドガン。銘々のカスタムを行っている。あるものはグリップを強化しているし、サイトをつけたものも見られる。ここは、小体育館の横にある射撃場で行われている。それぞれの的目掛けて一斉に射撃を行う。多くのものが、耳栓をしている中していないものも見られる。体格からして、高校3年生くらいだろう。多くのものが、人の形をした動く的の亜ために目掛けて命中しているようだ。
しばらくして、銃声が止む。
「以上!!それでは、的の回収を行う」
教官の声であろう、かなり良く響く声だ。
「それぞれの残段数と目標的達成率を記すように」
的の回収をしている生徒へ追加の指示がなされていた。
場所は移り、高校2年生Aクラスの授業のようだ。クラスでは、全員がノートパソコンを開いて授業が行われている。
「はい、それでは海洋高校との合同軍事演習に向けてのクラス対抗別模擬戦を行う。大枠については説明したが、質問があるものは挙手を」
「先生、基本殺したり、致命傷ではない限りは何してもいいとのことですよね?」
「まあ、そうだな。何をしてもとまではいかないが、うん。」
「じゃあ、敵のBクラスの給水タンクに大腸菌ぶち込んでおくとか、腐った納豆の余りとかを入れてもいいですよね?」
「まあ、そうなってしまうな。しかし、一つだけ言っておくとこれは学内演習だからな?対海洋戦での仲間を傷つける可能性が出てくるということだぞ。」
「はーい。」
のんきそうに、突っ伏す生徒。必要な情報が得られた瞬間眠くなったようだった。彼は、友近。基本何を考えているのかよくわからない、よく寝ている男だ。
その後、先生は何やら携帯を取り出し何かを打ち込んでいるようだった。さらにしばらく経って画面を確認して小さくひとつ頷いた。
「ということで、大腸菌の使用は確認を取ったが問題ない。しかし、1週間以内で抵抗力がなくなるような遺伝子組み換えを施していることが条件だ。」
「まあ、安田っちなら作れそうだよねえ」
と、ポニーテールの女子がいう。彼女の名前は、桃胡田。
これに安田が答える。
「安全性とか保証のために実験したこと全部レポートにまとめてさらに外部委託の検証実験をするためのプロトコル作成もしないといけないと・・・これら諸々含めて、一週間を要すると思っているので、うーんそうですね。とりあえず、BFC実験室に3日間夜なべする権利を貰えるならいいですよ。」
「まあ、仕方ないな。ほら、受け取れ。」
チャリーン
あらかじめ手に用意していたのだろう、安田に向けられて投げられた鍵の音が響く。安田は受け取ると満足そうにほくそ笑んだ。うまくキャッチができたことも含めて少し嬉しいのかもしれない。
「先生、ここまで予想しているならなんではじめっから言わないんですか。」
すかさずこのようなことを聞くのは河野。少し調子者の性格の男だ。
「ま、規定があるからな」
「さっすが、Ahd出身は違いますねえ。」
先生にも物おじしない、いいのか悪いのかは置いておきハキハキとした性格なのだろう。まあ、裏では先生を舐めているなどと噂されているのは、想像に難くない。
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