ハッケンくんが発見できない

 ボクが密かに毎夏楽しみにしているものがある。


 夏に出版王手がこぞっての行う文庫本のフェアである。角川書店、集英社、新潮社の三社がそろってテイクフリーの小冊子を書店に置き、展開する文庫本のお祭りなのだ。


 もう、この冊子を三冊貰ってきて、ニヤニヤしながら眺めるのがボクの夏の風物詩といっても過言ではない。


 ちなみに毎年同じ作品ものっているし、旬なものを載せたり、古典と言われるたぐいのもの、海外作品など広く掲載される。読み継いでいきたい作品なども含め細かな入れ替わりも楽しみだったりする。


 そんな中からいままで手にとったことのない作家さんや作品にであえる機会を得るわけなので、ボクにとっての出会いの場? 的ななにかであるかもしれない。


 そして、その小冊子には各社のイメージキャラクターがいて、これがまたボクの心を惹きつけてやまないのだ。よまにゃ、キュンタ、ハッケンくん、三者三様に愛嬌があるんだ。


 ところが、今年ちょっと悲しいことがあった。集英社の『ナツイチ』『新潮社の100冊』は例年通りだったのだけれど角川さんはリニューアルしていた。


『カドフェス』から『カドブン夏フェア』にイベント名が変わって、ハッケンくんが冊子から姿を消してしまったのだ。ハッケンくんが見当たらないとかUMAになっちゃったのかよ!


 ちなみにボクはなぜか角犬カドイヌと手前勝手にあだ名をつけて呼んでいた。


 鼻がびっくりマークなので某スネークさんのように見つかって追いかけ回されればいいと思うんだ。


 各社それぞれのカラーとか戦略があると思うのだけれど、ちょっと寂しい思いをしたわけだ。


 ちなみに冊子のメインカラーは各社とも毎回同じなので、その色が各社のイメージカラーだとボクは勝手に思っている。角川書店が緑、集英社が青、新潮社が黄。


 ちなみにそれぞれちょっとしたノベルティが用意されていたりと、こちらもボクの購買意欲に少なからずの刺激を与えてくれる。


 なので、冊子とともに何冊かの文庫本を購入するのが決まりごとになっている、というかフェアだからという理由で自分をだまして本をすかさず購入する手腕を褒めていただきたい。


 ライトノベル界隈とかだと、細々したフェアは見かけるけれどもこういったイベントにはあまりお目にかからない。


 既刊も含めて、出版社的に売りたいものとかまとめて掲示するフェアとかやってくれませんかね? 単体で難しいなら各社を縦断的にしたやつでもうれしいんだけどな。『このライトノベルが凄い』だけじゃなくてね。


 ラノベとかライト文芸およびWEB小説から単行本になったやつとか取り逃すと、気が付かない内に消えてるのとかすごく多い気がして勿体ないとおもうんだ。

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