冥王の教室--『盟約の子』アーシェ

万吉8

プロローグ0-1

『外つ国』とは、この世界とは異なる場所・時空にある世界。

 この世界は数百名の外つ国の者によって創造されたという。


 この世界には、世界の運営に担う七柱の『真なる王』が存在する。


 すなわち、


 神々・天界を統べる『神王』ゼウス

 海界を統べる『海王』ポセイドン

 魔族を統べる『魔王』リュツィフェール

 ドラゴン・竜人を統べる『龍王』--黄金龍アルハザードと暗黒龍ヴァデュグリィ--

 エルフ・妖精を統べる『妖精王』ニヴィアン

 そして冥界を統べる『冥王』ハデス


 である。



 ◇◆◇

 この世界に住まう人と魔族の争いを筆頭に争いは絶えない。


 200年前の真魔大戦。

 これは真なる王の一柱ひとりである邪悪龍ヴァデュグリィが同じく真なる王の一柱ひとりである魔王リュツィフェールと同盟し、暴虐を働いた。更に冥王を僭称するとある魔族もまた、それに劣らない被害を人にもたらした。

 人は黄金龍アルハザードと古の大賢者アルネ・サクヌッセンムの協力を得て邪悪龍ヴァデュグリィ封印し、冥王を僭称する魔族も神王ゼウスの力を得た勇者によって封印されたという。


 40年前の混沌カオス戦争。

 封印から解放された冥王を僭称する魔族--ここから先は単に『冥王』と記す--が開戦の際に暗躍したという。

 この戦争の伝承の中で人の老若男女に好まれるのは大賢者ゼニスと冥王の一騎討ちである。この一騎討ちは、真魔大戦において一軍をも壊滅させる力を振るった冥王が大賢者ゼニスのみを執拗に付け狙い、幾度となく行われた。一説によると大賢者ゼニスが持つとある剣を狙ってのことだという。この一騎討ちは、互いの秘術を尽くした結果、大賢者ゼニスの勝利に終わったが、冥王を討ち取るには至らなかった。

 特筆すべきは魔族の従属下にあった獣人族の長、獣王ベレスが八柱目の『真なる王』として戴冠したことである。

 この戦争は、突如、魔王が軍を引いたことにより終結したが、直後に魔族の従属下にあった獣人族による獣人族独立戦争が勃発し、獣人族は独立を果たしている。


 20年前の神託戦争。

 混沌カオス戦争の直前の無道戦役により滅びたドワーフ七支族の一つ、黒土シュパッツェボードゥン族の再興を目指す亡国の王子キールにより起こった戦争である。

 冥王はキールに協力し、神王ゼウスがキールの理を認める神託を下したことにより、黒土シュパッツェボードゥン族は自らの国、黒土シュパッツェブルグ国を再興を果たした。


 そして……。

 世界は次なる戦いを前にした不穏な時期に至っている……。





◇◆◇

万吉8です。

「読んでいて分からない」という指摘を受けたことにより、出し惜しみした設定及び執筆していく中で固まった設定を交えたエピソード0を追加しました。

今回は0-1です。引き続き0-2と続け、分かりにくいところを補完していきたいです。

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