第8話 聞きたいようで何も聞きたくない

気が付けば暗い部屋で電話を握りしめていた。


部屋には誰もいない、電気もつかない

刑事さんのような人もおばさんもいない

荷物を両手に持てるだけ持って

実家に帰ろうと思った。


だって誰か死んでいたかもしれない

この家居いたくないから


私はお財布と思い出の写真だけを手に帰宅した。


昔使っていた私の部屋は

色んなものが置かれて倉庫になっていた。

それから1週間は台所で寝泊まりして

部屋を片付けて部屋に戻った。


私はまた引きこもりをしている

また近所の人に聞いても

私の話は出てこないだろう。


犯罪記録は残ったのだろうか?

あの刑事さんは来ていたのだろうか?

嶋村兄さんは無事だろうか?

嶋村兄さんのお友達は来ていたのか?

藤吉おじさんは元気にしているんだろうか?


聞きたいようで何も聞きたくない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私では届かない 流星未来 @ryusei_mirai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る