第04話「種の1個で許しを請うだぁ? ママの割れ目のドロドロみたいなテメェは死にたいらしいなぁ? 毎月20個もってこい。それで命だけは助けて……なんだとっ!? 貴様、いつレベル99になりやがった!?」

「やったー! 初めてモンスターを倒したぞ!」


 暗くジメジメとした洞窟で、あなたは生まれました。


「あっ! さっき倒したやつとは別のスライムがいる!」


 生まれたばかりのあなたに、新米冒険者の木刀が叩きつけられます。


 幸いなことに、あなたの核は無事でした。

 あなたは損傷した保護膜を切り離して、木刀が届かない岩の隙間に逃げ込みます。


「レベルアップのチャンスだ!」


 岩にガンガンと木刀が叩きつけられますが、あなたには届きません。


「ぬにゃぁぁあああ!」


 洞窟に断末魔が響き渡ります。

 あなたを攻撃する人間は、背後から洞窟ウサギの奇襲を受けたのです。


「ウサギごときが勇者のボクに勝てるわけがないだろ!」

「ピィ! きぃー!」


 レベル1の新米冒険者と洞窟ウサギは、とても低レベルな激闘を繰り広げます。


「ハァハァ……勝ったぞ」


 半死半生の新米冒険者は、洞窟ウサギの亡骸の横に倒れ込みます。

 残HP2の新米冒険者は、何かが床を這う「ズリィ……ズリ」という音を聞きます。


「あぁ……あ、あぁ……」


 地面に倒れた新米冒険者が見たのは、あなたの姿でした。


「イヤだ、死にたくない……ボクには夢があるんだ……うわぁぁぁぁ!」


 瀕死の新米冒険者は、あなたに顔を覆われて泣き叫びます。


「うっぷ!? 呼吸ができな……死にたくない、死にたくないよぉぉぉ! ボクは……ボクはスライムに服を溶かされて恥じらう女の子が見たくて冒険者になったんだ! こんな死に方なんて……うげぇ、息ができな……ぃ」


 あなたは新米冒険者を窒息死させ、その亡骸を消化吸収します。

 大きい亡骸を糧とすべく、あなたは新米冒険者から流れる血を吸収します。


 冒険者の血を栄養源に、あなたは体を進化させて消化液をレベル3に上げました。

 進化で強化した消化液で、あなたは亡骸をどんどん養分にします。


 高度な知能を持つ生物を捕食した、あなたの体に大きな変化が発生します。

 人間を捕食したことで得られる、多数のアビリティーが流れます。


 アビリティー、知性を獲得しました。

 アビリティー、視力を獲得しました。

 アビリティー、聴覚を獲得しました。


 特殊性癖、女の子の服を溶かすスライムになりたい!を獲得しました。

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