姫騎士ミリアの大冒険

影島千早

第1話 政略結婚なんてまっぴらよ!

私の名前はミリア・コンヒューズ。

アルカディ大陸に存在する6王家の一つ、「風」を司る新参王家の三女の姫なの。


コンヒューズ王家は、代々長男が受継ぐので、シルヴァ兄様が次の王になるの。

それはいいんだけど…

父様に呼び出されていきなり、

「ダクマタ国のティアレス殿下の嫁になれ!」

は、ないでしょ!


だいたいねぇ…

会った事もないのよ?

いきなり嫁になれ!はないでしょ?普通。

父様(シルドレット・コンヒューズ2代目国王)に反論かましたけど、もう話が進んでるらしい。

ダクマタ王家は、魔族国家。

2年前に、アルカディ大戦と呼ばれる大戦を興した所よ?


実際、私も騎士団長としてダクマタ王家の侵略から国を護ったから。

付いた異名が「姫騎士」


なんか、ティアレス殿下から嫁に欲しいと言われたらしいけど、侵略してきた時にいた?

つか、誰よ?


なんかムカついたから、ダクマタ王家に直談判してやるって父様に言ってやったら、監視付きで牢獄に閉じ込められた…


さすがの私でも、あの大戦をくぐり抜けた部下達には攻撃できない。

で、しぶしぶと行った所が「牢獄」


「縁切ってやる!」

ガチでそう思った。

まだ、救いが義妹の「ショコラ・コンヒューズ」が毎日来てくれるからいいけど、身体が鈍るのは頂けない…


「あの時、父様をショコラから助けてやるんじゃなかった…」と、思ったけど、その事が無かったら出会えなかったから、世の中は解らない。


あ、ショコラは魔族。

国王暗殺を依頼したダクマタ王家がよこした暗殺者だったの。


とりま、結構強かったけど取り押さえて、尋問室に担いで連れて行って、色々話聴いた。


自分の名前が無い事。物心付いた時から暗殺者の修行だった事。「アイスドール」としか呼ばれなかった事。


聞いてたら涙出てきて、「私の妹になれ!」

って、連れて行って父様にお願いしたの。


で、「アイスドール」がワシの娘になるなら許可しよう。って言いやがった。私の目の前で!

…王宮だろうがなんだろうが、「私の妹を、そんな名前で呼ぶなー!」

で、父様をぶん殴った後に

「お前は、私の妹だ! 名前が無いなら私がつける! 」

ショコラは頭をこくこくしまくってた。

で、私の好きなケーキの名前が出てきたので、「ショコラ・コンヒューズ」

「今日からお前は私の妹だ♪ 」


そう言ったら、ポロポロ涙流して。

「お姉様ー!」

って抱きついてくれたので、思わずぎゅっとしてしまった。


ショコラの話はそんな所だ。

長々とつきあわせてしまって申し訳無い…


牢獄に閉じ込められた話に戻る。


ショコラに「一緒に旅をしよう!」

そう言ったら、(太陽の微笑みって、多分この事をいうんだな♪)

すっごい笑顔。 控えめで、屈託のない優しい笑顔♪


そして、私は脱獄して妹のショコラと2人旅に出た。

目指すはダクマタ王国。

ショコラを何故暗殺者にしたのか。

ショコラを何故、道具にしたのか。


「姉様、私何か粗相しましたか?」

どうやら、決意が顔に出たようだ…

ショコラの頭を撫でながら

「これからは贅沢できないから、それを考えたらね。」

あえてそう言ってみたら、ショコラが

「大丈夫ですよ♪ 姉様にはひもじい想いはさせません。」


いやいや、ん〜…隠しながらの言葉は難しいなー。

と、思いながら昔の学園時代の仲間達の所に行って、ショコラを紹介しようと考えてる。

追手は来ると思うが、異名持ち2人。姉妹。

追手が嫌がるだろう♪


ショコラと初めての長旅。私のワクワクが止まらない♪


まず、ここから近い昔の仲間の処は徒歩5日だな。

1番近い村で宿を借りよう。

徒歩30分の処だしね♪


私はショコラに「パイトリ村でゆっくりしよう。」と告げたら、

瞳を輝かせながら「はい!ミリア姉様♪」

そう言ってくれるもんだから、思わず抱きしめてしまった。


今回の行き先は「パイトリ村」

まずは、そこで鈍った身体をなんとかしないとね!

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