召喚されたら狭すぎた件

平伍頼直(へいご・よりなお)

召喚されたが狭すぎる

第1話 召喚されたが…狭くね?

それはいつもの日常だった。ホームセンターから自宅に帰るドライブルート。

突然側道からノーブレーキで飛び出してきた大型車に進路を塞がれて・・・

あっこれ絶対回避できないタイミングじゃんウソだろ!

何もできないまま激突しグシャリと潰れた車内、圧迫で呼吸ができない。

狭いよ・・・圧死かよ・・・俺、極度の閉所恐怖症なんだけど・・・こんな死に方イヤ過ぎる・・・

俺は最悪の状況で意識を手放した・・・


・・・


・・・と思ったら、意識が回復した。

「良くぞ我が王国に参られた勇者殿!」

あぁ?なんか王様っぽい人の声が聞こえる。

これってアレか?異世界的な何か?

「召喚勇者殿!我が名はジョン!国王ジョン18世である!」

ってか近つ!

国王っぽいヒゲ面のオッサンが俺の目の前で自己紹介中なのだが近すぎる。

ヒゲが俺の顔に触れそう、ヤメテ。

慌てて後ずさろうとするが、背中に別の誰かがぶつかる。

「召喚魔法に応えていただき、ありがとうございます勇者様!」

って、誰?振り向くと魔女っぽい扮装の・・・

・・・っていうか魔女としか言いようの無い魔女がいた。

「わたくし、召喚魔法を使わせていただきました魔女メディアと申します。」

こっちも近っ!ちょっと離れましょうよ。

見渡すと・・・この部屋狭っ!日本の狭小住宅かよ!

王宮っぽいゴージャスな内装の宮殿なのだが、一戸建て住宅の居間程度の狭さ、そこに王様、俺、魔女、大臣ぽいオッサンたち、近衛騎士団っぽい鎧姿の皆さんがミッチミチに詰め込まれてこれ日本の満員電車だよね。つり革が欲しい。

俺「召喚って、俺、召喚されたの?アレか?召喚か?」

アホみたいなセリフが俺の口から流れ出る。

魔女「わたくしの召喚魔方陣により、魔王を唯一討伐できる存在である、あなた、勇者様を召喚させていただきました!」

足元を見ると、極小サイズの魔法陣らしき円が俺の靴の下に。なんでこんなに小さいの?ってか、満員電車状態で直近に薄着の魔女がいるので、普通に痴漢冤罪で訴えられそうだこれ。

俺「ちょっと狭すぎます!一度外に出ましょう!」

俺が叫ぶと、王様、魔女、大臣、騎士たち、皆一様にうなだれて首を振っている。

王「勇者よ・・・外も狭いのだ・・・」


どういうことなの・・・次回へ続く!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る