第九話 バイトの先輩と酒盛り
「じゃ、君の家にしゅっぱーつ!」
「はぁ…わかりました……」
事の経緯は数時間前———。
バイトのシフトが入ってたのでそこに着くと、
「今日君の家行っていい?」
とか唐突に意味のわからんことを小鳥遊さんが言い出した。
「は?ダメに決まってるでしょ」
「なんで!?いいじゃん!」
「唐突すぎる。来たところで何するんですか…」
「酒盛り」
「なるほど…って無理っす!てか何で俺なんすか!?小鳥遊さんの家でも良…くはないか。でも何故酒盛り!?!?」
そんな祝うことも何もない平日だったけど。
「気分」
「乙女心わかんねー」
「ねーねーい〜じゃん!!」
「わかったわかった、わかりましたから!!くっつかないでください!」
「っしゃー言質取ったー」
「言わされた…」
ってな感じで家に来ることになったのだが…
彼女をどうするか。小鳥遊さんが来ることすら知らないからなあ。どうしよ。
まあ、別にやましいことはないんだが……。
と、気づけばバイトも終わっていて、小鳥遊さんと俺である程度の酒を持って家に向かう。
「ただいま」
「おじゃましまーす、って…ただいまって言っても誰もいないでしょ———」
「おかえりなさい、って……」
「「だ、誰ーー!?!?!?」」
「なるほど、この方がお兄さんのバイトの先輩…」
「そーでーっす!私は小鳥遊美玲って言います!宜しく!!」
「あ、わ、私は坂柳結菜です。よろしくおねがいします」
「か、可愛いー!!!!!!」
「へっ?」
「この前までこんな子居なかったのに!梗介くん、いつのまに彼女なんて…」
「ちがーう!色々あって今は!この子が!!いるだけ!!!彼女ではない!」
「そうなんだ?でもこんな可愛い子を家に入れるなんて、君も隅に置けないねぇ!?」
これで酒入ってないのマジかよ。
この人悪酔いするから嫌な予感しかしない…。
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