別れを告げられず

木津根小

1

「マキ、帰ろうぜ。」

そう言ったのは、マキのクラスメイトであるアツトだった。

マキとアツトは、市内の中学校に通う、男子中学生だ。

2人は、家が近所と言う事もあり、幼稚園からの幼馴染だった。

もう直ぐ夏休みであり、中学3年生の2人は、受験する高校を決めなければならない時期に来ていた。


「うっ、うん。

もうちょっと待って、もう直ぐ終わるから。」

マキは教室で、学校の宿題をしていた。

「なあ、宿題なんて、家に帰ってすれば良くないか?」

アツトが、待ちきれないといった感じで言った。

「うっ、うん。

でも、もう終わるから。。。」

マキがそう言うと、アツトは肩をすくめて、マキを見ながら苦笑いした。


マキは運動が苦手で、勉強を頑張っていた。

少し幼い、可愛い顔立ちをしており、体も細く華奢だった。

アツトは勉強が苦手で、運動を頑張っていた。

少し四角い顔立ちをしており、最近、体付きもガッチリとして来ていた。


「ゴメンね、終わったよ。」

マキは笑顔でそう言うと、うーんと背伸びをして、椅子から立ち上がった。

「待たせ過ぎなんだよ。」

アツトはそう言うと、マキの脇腹をくすぐり始めた。

「あっ、あははははっ、だっ、ダメだって、アツト、止めて。」

とてもくすぐったそうに笑いながらマキが言った。


「待たせた罰、くすぐりの刑だ。」

アツトは笑いながらそう言うと、更にマキの体をくすぐった。

「あっ、ダメ、本当にダメ、そこ、弱いから。。。」

そう言うと、マキは教室の床に座り込み、さらに横になった。

そして、体を丸め、くすぐられないように、体をガードした。


アツトはマキをくすぐるのを止めると、

「悪かったよ。」

そう言って、マキの両腕をしっかりと掴んだ。

「えっ?」

マキは、突然、アツトに両腕を掴まれて驚き、仰向けになるとアツトを見た。

「マキ。。。」

アツトはそう言うとマキの上に覆いかぶさり、スッと顔を近づけた。

「ちょっ、ちょっとアツト。

何を。。。」

直ぐ目の前にアツトの顔が近づき、マキは顔を真っ赤にした。

アツトは、そのままマキの口にキスした。


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