第24話 散歩
私たち三人は学園内を歩き回っていた。
私たちのほかにも生徒たちは学園内を歩いている。
そして、私たちが通るとちらちらと視線を向けられていた。
マリ 「レイラ。あなた生徒たちに怖がられてるんじゃないの?」
レイラ 「それもあるでしょうがこのほとんどはあなたに向けられた視線ですわ。わかっているでしょう?ここにいるほとんどの生徒があなたの顔を見たことがないでしょうから。」
マリ 「まあね。本来はこの散歩だってグループで動いたりするものだしね。」
マリ様のような貴族たちは本来、学園に入学する前からお茶会を開くなどしてお互いに交流を持ち、グループを形成するのですが私が拾われてからも特にお茶会に行ったり、開いたりすることなく過ごしていました。
マリ 「それをいうならレイラ、あなただってそうでしょう?」
レイラ 「ワタクシはワタクシ自身が決めた、認めた人としかつるみませんわ。」
そういいながら胸を張っている。
マリ 「それにしても今年の生徒ってなんか魔力多いわね。」
ニコ 「そうなのですか?私はてっきりこれくらいが普通だと思ってました。」
マリ 「学園に合格したのだからある程度魔力が多いのはあるけど今年は特に多いわ。まあ、私たちにかなう人はいないだろうけどね。それじゃあ二人とも面白そうなことを見つけましょうか。」
レイラ 「見つけるってどうするんですの?もう結構歩いてますけども。」
マリ 「私たちが歩いたところは普通のところでしょ?だから普通じゃない道を歩くのよ。例えば周りから見えにくい建物の裏とか。木に囲まれているところとかね。」
そういってマリ様はうきうきと歩き出し、レイラ様は重い足取りで歩き出した。
そうして私たちは人通りの少ない校舎裏まで来ていた。
しかし、人通りの少ないはずの校舎裏に複数人の気配を感じていた。
side校舎裏
俺の名はザルード、平民だ。
俺は今現在学園の校舎裏で一人でご飯を食べている。
別に一人がいいってわけじゃないがこの学園には俺のような平民が少ない。
そのため貴族はすでにグループを作っており俺のような平民は話に入ることもできない。
ザルード 「はぁ。どうしようかな。」
俺は考え事をしていた。
この世界に来てから特に考えることが多くなった。
俺が住んでいた地球は魔法やモンスターなどはおらず、空想上の存在だった。
いきなりこの世界に転生し、普通の人よりも多い魔力を与えられた。
最初はとても喜んだ。
俺は特別でチートだと思った。
物語のような主人公になれると思った。
そうしてこの学校に来た。
でもここに来るまでにモンスターや盗賊なんかに襲われた。
馬車での移動だったから護衛の冒険者の人たちがいたからよかったが、もし一人だったらと思うと震えが止まらない。
入学に必要だったから初歩的な魔法は覚えてきた。
俺の魔力だったらそれでも攻撃できるからだ。
なのに俺は怖くて動くことができなかった。
この調子でやっていけるのだろうかという不安がずっと渦巻いている。
そんなことをずっと考えながら手に持っているパンをかじった。
パンを食べ終わりこれからどうしようかと思っているとどこからか声が聞こえてきた。
「姫様~。どこに行ったんですか~。返事をしてください~。」
制服を着ているので一緒に入学したメイドのようだ。
気の抜けるような声を出しながら主を探している。
するとこちらに気付いたのか走ってこちらに寄ってきた。
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どうも作者です。
一か月ぶりの投稿です。
リアルのほうで忙しかったので投稿するのが遅くなってしまいました。
ザルード君の視点です。
そこまでストーリーに絡ませる気はあまりありませんがこれっきりというわけでもありません。
最後に出てきた生徒はいったい誰なんでしょうか。
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