左道を執りて、政(まつりごと)を乱す者は、・・

@MasatoHiraguri

第1話 はじめに

AAA. 日々是好日

  いち観光客として台湾に滞在する外国人(日本人)の私は、中台の政治的問題に関して現地の台湾人との対話はおろか、ネット上での発言も控えてき参りました。

  下手に口を出すと「国家攪乱罪」なんていう咎(とが)で、かつての台湾の暗黒時代「2.21」のように、「秘密警察に捕まり行方不明」なんてことになりかねないからです。


  「台湾の秘密警察が民間人を殴り殺したり毒殺したりしていたのは、30年前までよ。私が生まれた頃には、もうそんなことはなかった。」と、10年前に台湾に来て、初めて話した女子大生は(英語で)明るく言いました(軟派したのではありません。高雄の倉庫街でやっていた何かの展示会で、あちらから話しかけてきてくれたので、中公新書の「台湾」で読んだ話をしたのです。)

  

  しかし、数年前から住み始めた、屏東県という、住民の7割が台湾客家という地域では、今でも「秘密警察やってます」というメッセージを、至るところで見ることができます。

  現在、私が住んでいる龍泉という小さな集落の近くには、後楽園球場(の3倍くらい ?)の大きさの「客家文化センター」なんて???な施設があります。ウクライナの或る町の地下に作られた、後楽園球場200個分の大きさの地下施設なんていうのを想像して、ここの前を自転車で通る時はドキドキします。


  日本にも、小林多喜二を警察署内で尋問して殺害した悪名高き「公安」なんて反国家思想取締りの機関があるし、こういう組織はどこの国でも決してなくならないものです。

  先日来、日本で大騒ぎの「韓国人の日本侵略組織で、先行する創価学会の次に危険といわれた統一教会」は、この国家公安員長にまで、その手を伸ばしているという報道です。

  つまり、日本の場合、警察が韓国人の秘密結社に乗っ取られているというとんでもない事態になっているわけです。昔、京都で話した元警察官が言いました。「本当に怖いのは夜盗や強盗ではなく、国家です。」


  台湾客家人でも台湾人でも原住民であろうとも、私の頭の悪さから中国語がちっとも上達しないことも幸いし、10年住んで(山と鳥以外に)友達ゼロ状態。日本語さえ話す必要がないんですから、放浪の詩人・山頭火以上に(孤独)極楽状態。

  唯一の楽しみである、日本で行われる大学日本拳法の大会も、最近はここ台湾で、缶ビール片手にライブビデオで見ることができる。


  台湾客家の秘密警察を意識しながらの「日々是好日」が続いていました。



BBB. 平栗の好日を「騒乱」するもの

  そんな平穏無事な私に届いたメッセージ。

① 「中国軍事演習/蔡総統、「一緒に地域の平和を守りたい」 日本などに呼び掛け」

  2022/08/05 19:43

  https://japan.focustaiwan.tw/politics/202208050009


  ネット新聞フォーカス台湾紙上で、台湾客家のサイ総統は、日本国民に対し日本語で:

  ○ 中国は(台湾客家が支配する台湾にとって)こんなに危険で悪い国です。

ですから、日本の皆さん、台湾客家に協力と援助をしてください、という内容のメッセージを発信されました。


○ 一国の大統領・首相・総統という最高責任者が、ある特定の外国の国民全員に向かって「軍事援助を依頼する」というのは、どうかしている話だと思います。(もう、それ自体で「私たちは国家ではない」と宣言しているようなものではないか。)

  しかし、とにかくこれを読んでしまった以上、返事を書かなければならない。


  自由で平等な民主主義を体現する台湾(客家)と宣言されていらっしゃるからには、その台湾の最高責任者のメッセージを読んだ日本人の一人が、期待にそぐわない意見を公の場で述べることもある、ということは十分予測されていらっしゃるでしょうし、そんな意見を受け入れて下さるとも思います。

  ということで、恐れ多くもこの私が、台湾客家を含む全台湾人に向かって「サイ総統の仰る中台問題」に関し(一億日本人の一人として)愚見を述べさせて戴こうというわけです(日本語ですから、台湾の人は読むことはないと思いますが、サイさん以外)。



CCC. 親子喧嘩に口を出すな

  因みに、もう一方の当事者である中国は「中台問題は私たち家庭内の話だから、日本人は引っ込んでいろ」と明言されています。

  他人の家の夫婦喧嘩や親子喧嘩に首を突っ込むべきではない、というのは万国共通の常識であり、私自身が経験してきたことでもあり、中国に対しては髪の毛一本ほども意見を述べるつもりは御座いません。


 「日本がとやかく言うことではない」

 弾道ミサイルEEZ内落下めぐり 日本抗議に中国政府が会見で反論

https://news.yahoo.co.jp/articles/49aa072413c246a041b691b7e4419165a4d80445

8/8(月) 20:36配信


TBS NEWS DIG Powered by JNN

  中国軍の弾道ミサイルが日本のEEZ内に落下したことに日本政府が抗議したことについて、中国政府は「日本にとやかく言う権利はない」と反論しました。

・・・

中国外務省 汪文斌 報道官

  「法律的にも政治的にも道義的にも、日本は台湾問題についてとやかく言う権利はない」

・・・

  また、アメリカが中国を非難していることについては、・・・「事態を深刻化させたのはアメリカ側である」と反論(主張)しています。・・・。


* 反論というよりも主張ではないかと、私は思いますが。

  ま、これが一般的な正しい国家のあり方ではないか、と思います。

  自分の国は自分で守るのが当然です。

  約100年前の日本は、占領地域(台湾や朝鮮半島)の土地や建物、兵隊要員、そして従軍慰安婦を(お金を払って)徴用しましたが、戦争状態なんだから当たり前の話。西暦1200年代、モンゴル人(当時すでに元という国家の名前)は、朝鮮半島の南部地域(百済・新羅)を占領したとき、略奪するものが何一つないので、若い女性を3千人供出させた(中公新書「元寇」)。

  戦争に負けて占領された国が悪いのです。


  その日本が戦争に負けた時(1945年)は、占領軍のアメリカから(アメリカ軍人のために)数万人もの慰安婦を全国で徴用せよと「命令された」のです。しかも、敗戦が確定した1945年の8月15日以降、日本全土と朝鮮半島で、韓国人による土地や財産の略奪・強奪、殺人、強姦が「組織的」に行われ、数十万人もの日本人が犠牲になりました。弱い(敗れた)国の運命です。


  因みに、中国大陸では「中国残留孤児」を生む混乱はありましたが、中国人による組織的な日本人への虐殺や婦女子に対する暴行はありませんでした。4,000年間、星の数ほどの戦争や騒乱・飢饉を経験してきた彼らは、その中の一つとして、日本の侵略をグッと飲み込んでくれたのです。


2022年8月13日

V.1.1

平栗雅人

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